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別邸『イハ=ントレイ』

【エマ】流れよ我が涙、と祭司長は言った

 思えば、そういう世界の人であることなんて、彼女はおくびにも出さなかったのだ。

 コン=モスカは海洋貴族である。
 貴族とは、有り体に言ってしまえば面子の職業である。客一つ招くのにも、それは絡んでくる。
 エマがその別邸の扉を潜った途端、立ち居並ぶ侍女達が一斉に頭を下げた。
 まるで何時間も前から待機していたように入り口から応接間までエントランスに道を形成する彼女たちの間を通ると、わけもなく緊張してしまう。

 応接間はこれもまた大きく広いが、縦に長く序列のはっきりとわかる幻想式のそれではなく、円卓と方形の部屋の組み合わせが大きな空間らしく感じさせる海洋仕立て。
 そこをさらに通り抜け、暖炉の傍にあった蹲めいた小さな扉を抜けると……

 なるほどこれが真の“応接”をする部屋なのだろう。
 武器の類は全て侍女に預けられ、僅かに4、5人を歓待するのにちょうど良い間取りであった。
 彼女はエマが入って来るのを見ると、まるで対等の貴人が入って来たように礼をしたのだった。

 貴族とは面子の職業である。
 翻ればクレマァダは、それほどの歓待の意を“彼女”に示しているのだ。
 その真意を、相手が理解してくれるかはこれから次第であるが。

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参加者向けハンドアウト:
あなたはクレマァダによって茶会に呼ばれました。
クレマァダは、格式ばった歓待を仕掛けて来ています。
のるかそるかは、貴方次第です。

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当然よ。
迎える相手と釣り合わぬ格の料理人なぞ招かぬ。
それは、モスカのみならず海洋国の沽券に関わることじゃ。
(言いながら黒いパスタをつつき、烏賊をフォークに絡めながら皿を見つめて呟いた)

それは……あれは、そうした方が良いと思っていたからに過ぎぬ。
笑って歌って見せれば、ひとは快く思ってくれるのじゃと。
実際それは一面では正しい。じゃが、致命的に間違ってもおる。

あれは愚かじゃが賢い。
そうあるべしと思っての振る舞いは、だからこそ致命的なところまで誰にも気付かれぬ。
遠からずあれは、お主らにとの間に致命的なズレを引き起こしておっただろうよ。

そういう振る舞いが、なかったか?
あれは、人の死を、人の悲劇を、尊び喜んでいた。
無垢故にどこまでも罪深かった。
そういう振る舞いが、なかったか?

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