純白の屋敷には無秩序に吐き出された書物が放置されている部屋がある。それはいわゆる書物/臓物[もつ]の在処。本の名を持つその秘宝種はそこに吐き、そこに並べ、そこに自らの物[もつ]を並べるのだ。


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設定以上ロール未満、内蔵の切り分け場所。
（少年紙程度の刺激的表現が含まれる場合があります）
アエクという人物についての置き場所である。

　現在とは、未来を咀嚼し過去を排出する生き物である。未来を咀嚼し現在に至り、過去として垂れ流され続けるその排泄物の集合体こそが人生であり、それを綴じた物がにんげんのきろくというものだ。
　それは関係ない、ああ、一切関係ない。何の話をしたいかといえば我は【我】という存在を切り離したという事だ。我は、我の人生に於いて不要な足跡を切り取った。そしてそれを本として吐き出すことにより我は【我】という人生をあたかも他者のもののように咀嚼できるのだ。ああ、これの何と喜ばしいことか。その行為は我というものにいくらでも可能性を与えてくれる。忘却とは嘔吐であり、本棚は美しき吐瀉物の展示場である。たかる蠅が如く手を摺り合わせありがたがりながらそれを貪る生物が、我だ。やれうつな、われがてをする、あしをする。ああ、今日も世界はもつにあふれている。