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雨が止んで月が現れるまで
ん、でも……折角聞けたお話、だから。忘れる……勿体ない、ような。
将来の、夢。(復唱する様に呟いてから)
……おれは、今みたいに。『手伝い』をして、誰かの役に立つ……出来たら。それで、いいかなって。
目標も……一緒、かな。
将来の、夢。(復唱する様に呟いてから)
……おれは、今みたいに。『手伝い』をして、誰かの役に立つ……出来たら。それで、いいかなって。
目標も……一緒、かな。
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このくらいの霧雨じゃ、傘を差す程じゃない。
髪は少し濡れるけど、このくらいならすぐ乾くだろう。だけど、季節はすっかり秋。少し肌寒くなってきたからあまり濡れるのはよくない。風邪をひくかもしれないから。
「あ、あの……これ」
チックが少し凍えた手で一枚のICカードを拾い上げる。
「それ、俺の学生証!」
チックの声に振り向いた雨月は、彼の手に掴まれたカードを見て思わず声を上げる。
「落とし、もの……どうぞ。……ん?雨月?」
「あ、チックさんじゃないですか!どうも、ご無沙汰しております。ありがとうございます。これ、大切なものなんですよ。うっかり落としちゃって。チックさんに拾っていただいて助かりました」
雨月は面映ゆい表情でチックからカードを受け取り、それを鞄にしまうと、是非ともお礼をさせてほしいと、近くの喫茶店に誘うのであった。