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雨が止んで月が現れるまで

【雑談】霧雨

ハロウィンから少し経った頃。

このくらいの霧雨じゃ、傘を差す程じゃない。
髪は少し濡れるけど、このくらいならすぐ乾くだろう。だけど、季節はすっかり秋。少し肌寒くなってきたからあまり濡れるのはよくない。風邪をひくかもしれないから。

「あ、あの……これ」
チックが少し凍えた手で一枚のICカードを拾い上げる。
「それ、俺の学生証!」
チックの声に振り向いた雨月は、彼の手に掴まれたカードを見て思わず声を上げる。
「落とし、もの……どうぞ。……ん?雨月?」
「あ、チックさんじゃないですか!どうも、ご無沙汰しております。ありがとうございます。これ、大切なものなんですよ。うっかり落としちゃって。チックさんに拾っていただいて助かりました」
雨月は面映ゆい表情でチックからカードを受け取り、それを鞄にしまうと、是非ともお礼をさせてほしいと、近くの喫茶店に誘うのであった。

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うん……。丁度いい、タイミング……だったね。

大学……大、学……。多分、学校っていう場所で、あってる……かな。
雨月は……そこで、医療のこと。学んでる感じ、みたい?
……お掃除、綺麗になると良い、ね。
(大学、と聞いて余りピンと来なかった様で、ぼんやりと考えながらたどたどしく言葉を紡ぐ。何となく、難しいことを学ぶ所なのだろうなと想像しながら)

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