タイトル |
明日色絵画と希望の筆 |
作成者 |
ベルナルド=ヴァレンティーノ(p3p002941)
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あらすじ |
その美術館には"未来が見える絵画"があるというーー
画家の間で広まりはじめた噂は、やがてローレット所属の画家であるベルナルドの耳にも届いた。
「真偽はともかく、話題性のある絵画は一度この目で見ておきたいと思ってな」
彼が貴方にローレットを経由して依頼したのは、鑑賞中の護衛。
悪い力が宿った絵画でなければ、ただ同行するだけで終わるだろう。
ーーこれは、貴方自身が未来を掴むための物語。 |
現在の割当 |
プロフィール『ベルナルド=ヴァレンティーノ』 |
オープニング |
●特異運命座標と不思議な絵
「わりぃ、ちょっと出がけにトラブルがあってな」
護衛の依頼主であるベルナルド=ヴァレンティーノが待ち合わせの場所に現れたのは、約束の時間から20分も後の事だった。ここへ来る前に描いていた絵画のラフが上手く仕上がらず、煮詰まっていたのだという。
「ローレットの依頼を引き受ける時は、真面目にやってるんだがな。
自分が依頼する側だと、つい気が緩んじまう」
ガジガジと頭を掻く中年男性ーーベルナルドは、画家であると同時に、ローレット所属の特異運命座標である。
そんな彼が貴方に護衛を依頼したのは、幻想国のとある街から画家づたいに広がった、妙な噂を確認するためだ。
ーーコバルト美術館には"未来が見える絵画"があるというーー
眉唾な話ではあるが、今までローレットが受けた依頼の中には『魔物になった絵画』だの『呪いを振り撒く絵画』だの、厄介な絵にまつわる依頼が舞い込んできた事もあった。
大事にならない代物なら構わないが、危険な物なら対処したい……というのがベルナルドの要望である。
「絵の調査は俺がやる。お前さんにはその間、厄介な事が起こらないか見張ってて欲しいんだ」
調査に向いたスキルがあるなら手伝ってくれてもいいが、と笑いながらベルナルドは貴方と共に美術館の入口を潜るーー |
基本マップ |
基本100x100 |
チャート |
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成功時エンディング |
●俺達の明日色
「一件落着だな」
美術館を出たベルナルドは、伸びをしてから貴方に振り向いた。
「一時はどうなる事かと思ったが、お前さんがいてくれて良かったよ」
帰路についた後も、貴方とベルナルドは今日の出来事について語り合った。その時のベルナルドの顔は晴れやかで、長い前髪の奥の瞳はキラキラと輝き、創作への熱意に燃えているようだった。
「帰ったらすぐに絵を描くよ。メリッサを題材にしてさ。
魔種を元の種族に戻す事はできない。倒された彼女に明日はもう来ない……そう言いきる奴もいるかもしれない。
けどさ、俺が思う『人生の終わり』は、誰からも忘れ去られた時だと思うんだ。
メリッサという人が生きた証を俺が描き、それを鑑賞した人は想像の翼を広げて、彼女の未来を思い描く。
……そうして、いろんな人の胸の中で、メリッサの明日は描かれていく。彼女は生き続けるんだ!」
そろそろ別れの時だ。名残惜しそうにベルナルドは貴方へと向き直る。
「また明日、ローレットで会おうな!」 |
成功時称号 |
明日色を知る者 |
成功時記念品名 |
希望の絵筆 |
成功時記念品説明 |
コバルト美術館のお土産屋で、ベルナルドが貴方にプレゼントした絵筆。毛先に不思議な色が宿り、きらきらと輝いている。その彩は、きっと『明日色』というのだろう。 |
失敗時エンディング |
●奇妙な美術館
「ーーおい」
ベルナルドに声をかけられ、意識が覚醒する。
気づけば貴方は、コバルト美術館の出口に来ていた。
「結局、なにも無かったな。こう言っちゃ作者に悪いと思うが、
どの絵もパッとしないし、なんだか無駄に疲れた気がするぜ」
そう話すベルナルドの顔は、土気色の肌がより一層、血色が悪くなっているような気がする。
ーー美術館に入った時は、あんなに楽しそうだったのに?
ーー目が覚める前、何があったか、記憶が曖昧で覚えていない……。
そんな事がどうでもよくなるくらい、今の貴方は疲れ切っていた。
「…………」
帰路につく間、誰も口を開く事もなく、重たい空気がまとわりつく。
なにか大切なものを失ってしまったようなーーそんな疑念すら忘れてしまうぐらい月日が経った頃だ。
コバルト美術館が魔種の襲撃により、壊滅したという知らせが届いたのは。
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