特設イベント
優雅な世界への招待
●オープニング
『特異運命座標（イレギュラーズ）』が、幻想（レガド・イルシオン）に根を下ろし暫しのこと。
幻想（このくに）での生活にも慣れ始め、未知の世界への期待や不安、これから起こるであろう未来へ弾んだ心も冷静さを取り戻し、皆一様に落ち着き始めていた。
そう、言ってしまえば暇なのである。
日がな一日やることと言えば、ギルドへ顔をだし、何となく時間を潰しては、街角で出会うイレギュラーズと情報交換――という名の井戸端会議で一日を過ごす。
それはそれで楽しいものではあるが、『特異運命座標』などと大層な名で呼ばれるからには、なにか一つでもイベントなどに遭遇したいものだと言いたい所。
中には街の外へと繰り出し冒険をする者もいたのかもしれないが、話題になってないことから結果は察するべきだろう。
石造りの建物の間から見上げた空は、どこまでも高く蒼い。実に今日も平和である。
そんな暇を持てあまし、退屈を体現するイレギュラーズに声がかかった。
「こんにちわ。……随分暇そうね？」
可憐な声で和やかに話しかけてきたのは、ギルド・ローレット所属の冒険者アルテナだ。
「実は暇そうにしている貴方に、朗報があるの」
人差し指を立て、ゆるふわな金色の髪を揺らし、ロイヤルパープルの瞳でイレギュラーズを覗き込みながらアルテナは話を始めた。
なんでも国王・フォルデルマン三世は非常に『享楽的』で、イレギュラーズ達への興味や関心が高く、様々なイベント事を考えているらしい。
そういった話の中で、バルツァーレク領を治める貴族ガブリエル・ロウ・バルツァーレクが手を上げたそうだ。
「ガブリエル様は『特異運命座標』に対して友好的な方なの。今回も自身がお持ちになっている施設に招待してくれたの。『新しいイレギュラーズを誘ってみたらどうだい？』ってね」
アルテナが言うには、その施設はガブリエルが自身の財力で持って集めた多彩な美術的コレクションが立ち並び、普段は知ることのできない貴族の暮らしが垣間見れる他、大型の入浴場もあるらしい。
「多種多様なお湯が張られてて、中には水のお風呂なんかもあるから、泳いだり、水浴びなんかもできるのよ。とってもすごい場所なんだから」
拳をギュッと握りしめ力説するアルテナ。
だいぶ陽射しが弱くなってきたとはいえ、まだまだ暑い日は続いている。水風呂もそうだが、普通では考えられない絢爛豪華な造りのお風呂で遊ぶことができるとなれば、この機会を逃す手はない。
「屋外にはステージもあって、夜には食事をしながら聴く歌がとても素敵で……」
アルテナは、魔法のライティングと星空が一体となってとても綺麗なの、と付け加える。
幻想におけるステージがどのようなものなのか、想像するのが難しいが、遠い目をしながらウットリと話すアルテナを見れば、壮麗かつ風光明媚なものなのは間違いないだろう。
その後も美術品の数々の豪華さや、建物の造り、食事の美味しさを小一時間語り、満面の笑顔で話を終えたアルテナは、ようやく一息つく。そして「どう？ 案内するから、一緒に行ってみない？」とこれまた変わらぬ笑顔で訊ねてくるのだ。
その笑顔に裏はなく、なるほど、たしかに朗報だ。
暇を持てあまし、退屈をその身に纏っていたイレギュラーズにとって、これは待ち望んでいたイベントに違いない。
当然一人で行くのもよし。幻想に来て知り合った者や、友人、はたまたこの機会に誰かを誘って一緒に行くのも良いだろう。
どう転んでも、アルテナの誘いに乗ればきっと楽しい一日が待っているのは間違いないのだから。
――可能性（パンドラ）はその手の中に。
選択は全て、『特異運命座標』に委ねられた。
●澤見夜行より
こんにちは、澤見夜行と申します。
今回はガブリエルの招待により、ガブリエルの所有する娯楽施設へ遊びに行くシナリオとなります。
娯楽と言っても遊具があるわけではなく、しっとりと貴族の世界を見に行くという感じです。
ガブリエルのコレクションである絵画や彫刻などの美術品鑑賞の他、大浴場でゆっくりくつろぎ（水風呂もあるのでプール感覚でも大丈夫です）、夜はディナーを食べながら歌と演奏を星空の下で楽しむことができます。
なお、浴場は混浴のため水着が貸し出されます。自分で用意するもよし、手ぶらでいくもよしです。
ゆったりと晩夏を楽しみたい方、貴族の世界を覗いてみたい方はぜひアルテナの誘いに乗ってみてください。
皆さんの選択した可能性を楽しみにしています。
●備考
・アルテナ・フォルテ(p3n000007)が同行いたしますが、お声掛けが無い場合は登場致しません。
・夏イベント『盛夏の残照』シナリオでの同一参加は出来ませんのでご注意ください。
リプレイ
※1 当リプレイの返却はメールで通知されません。
※2 当リプレイはキャラクターの参加・注文状況・履歴には掲載されません。
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