特設イベント
街角に秋を探して
●オープニング
●秋の訪れは、ひそやかに、しのびよるように
――秋。
赤や橙、黄色に色づく山々に、青や緑色を深めていく海。大自然に囲まれた古き良き国、幻想(レガド・イルシオン)の王都『メフ・メフィート』は、今日も人々と静かに生きている。そして人々は、歴史ある古い町並みを保ち、守っている。愛をもって。
いつの間にか、中央大教会の敷地に立つイチョウやカエデが鮮やかに染まり、伽藍と調和する景色が一段と美しく感じられる季節になった。大召喚の日に始まった非日常の慌ただしさもずいぶんと薄れ、王都は平穏を取り戻しつつある。
そう、だからこそ――。
司祭たちを前にして、中央大教会の『幻想大司教』イレーヌ・アルエは微笑んだ。
「より一層の交流を促し、親睦を深めてもらうため、今年のオータムフェスティバルには、ぜひ特異運命座標(イレギュラーズ)の方々にも参加して頂きましょう」
それはとてもよい考えです、と司祭の一人が追従する。
「しかし、アルエ大司教さま。この世界の他より招かれた特異運命座標たちには、神にささげる収穫物がありませんぞ」
イレーヌは微笑みを崩さず、何も問題はありません、とゆるりと手を振った。
「彼らには積極的に幻想国各地へ出かけてもらい、『小さな秋のほっこりワン・シーン』を採ってきて頂こうと思います。そうやって自ら収穫したものであれば、たとえそれか記憶の1ページであったとしても、神は喜んで受け取られることでしょう」
例えば、空に羊の群のような羊雲が浮かんでいるのを見て。
例えば、夕焼けの道を赤とんぼとともに歩む時に。
例えば、ショーウィンドウに飾られた落ち葉色のスカーフにときめいた時に。
例えば、恋人とふたりきり、寄り添うように腰を下ろして海を眺めた時に。
秋を感じたその瞬間――思い出そのものを、中央大教会に収穫物として奉納してもらおうというのだ。
「なかなか詩的ですな。しかし、中にはそういったものを考えたり、見つけたりするのが苦手な特異運命座標もいるのではありませんか?」
「そういった方々は、収穫祭当日にここへきて、祭りそのものを楽しんでいただければよいでしょう」
オータムフェスティバルの日。大教会前の広場には、秋の実りを売り物にした市がたくさん立つ。夜にはカブやカボチャて作られたランタンが広場のあちらこちらに置かれ、感謝の祈りを捧げる人々の顔をほのかに照らす。ミサの終わりには花火も打ち上げられる。当日でも、秋の兆し、あるいは印を見つけて思い出を作ることは可能だ。
「そうだ。『小さな秋のほっこりワン・シーン』報告者には、教会の畑で取れた芋を焼いた『やきいも』をプレゼントしましょう」
きっと、ステキな収穫祭になるに違いない。
●そうすけより
中央大教会の主催で、神に秋の収穫を感謝して祈りをささげるオータムフェスティバルが開かれることになりました。
みなさんが探して見たり、感じたりした幻想(レガド・イルシオン)の秋を、オータムフェスティバル当日の大教会へ報告しに来てください。
なにも見つけられなかった人も、オータムフェスティバルに来て楽しむとよいでしょう。そこできっと、貴方だけの「秋」を見つけられるでしょう。
描写は、「秋を感じた瞬間」のシーンそのもの、または報告をすませて焼き芋を食べているところ。あるいは、オータムフェスティバルを満喫しているところ、のいずれかになります。
教会へ報告は、夏の終わりを象徴する出来事でも構いません。夏の盛りは寄りつかなかった猫たちが、進んでスリスリしてくるようになったとか。夏の果物や野菜が市場から消えて困った、とか。色々考えられると思います。
NPCに関しては、『幻想大司教』イレーヌ・アルエのみ描写される可能性があります。
グループで参加される場合は、プレイングの冒頭に【グループ名】を明記してください。
それでは特異運命座標の皆さま、ご参加お待ちしております。
●備考
・秋イベント『爽秋の一時』シナリオでの同一参加は出来ませんのでご注意ください。
リプレイ
※1 当リプレイの返却はメールで通知されません。
※2 当リプレイはキャラクターの参加・注文状況・履歴には掲載されません。
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