PandoraPartyProject

特設イベント

スクランブルハロウィン!

●オープニング

●クレシブルパンドラボックス
 どん、どどんと昼花火が打ち上がる。
 喧騒。快声。大賑わい。
 現代のアスファルトと比べれば、とても舗装されているとは言えない石畳の街頭に、所狭しと祭屋台が敷き詰められている。
 国柄、世界柄は様々だ。
 焼きそば売りがあったかと思えば、その隣には力自慢向けのハンマーコングが設置されている。魚面のバニーガールがジョッキで販売する得体の知れない緑の液体には手を伸ばそうと思わないが、向かいで獣人のきぐるみを来た天使が宣伝する水飴は美味しそうだ。
 小さな舞台では何を基準にしているかもわからないコンテストが開かれ、皆が思い思いに投票券を握りしめている。
 侍女衣装に身を包んだ可愛らしい呼子が居た。目を向ければその顔面が縦に割れ、中から飛び出した機械的な隠し腕に手を振られた。どうやらホラーハウスの出し物らしい。
 玉石混交。どこか祭のようで、フェスティバルのようで、パレードのようで、カーニバルのような。そんな大小東西所々在々の入り混じった空間で、ふたつ、共通していることがある。
 ひとつめは、皆、仮装をしているのだ。
 初めてのソース焼きそばを頬張る人魚も、背中に家財道具一式のようなバックパックを背負った瓶詰妖精売りも、有りもしない空想だけで描かれた無限階層ダンジョンの立体マップを扱う地図屋も、皆が皆、仮装をしているのだ。
 そしてふたつめは―――
「トリック・オア・トリート!」
 そう声をかけられた。
 振り向くと、襟の高いマントを羽織り、タキシードを着た狼男が居た。吸血鬼の仮装なのだろう。本物のウェアウルフがやるとなんだか滑稽だ。
「トリック・オア・トリート」
 同じ言葉を返して、クッキーの袋を渡した。相手も笑顔で、飴玉を渡してくる。
 ふたつめは、この掛け声だ。
 トリック・オア・トリート。トリック・オア・トリート、だ。
 そう、これはハロウィン。
 なんだか綯い交ぜで、とてもごちゃごちゃしているが、仮装してそれを言わばハロウィンなのだ。
 異世界の祭。だが、どこか触れ楽しんだものとも違うそれ。
 そうなったのにも、経緯があった。

●マーブルマーブルデイズデイズデイズ
 異世界。
 異世界。
 何が異なろうと、同じ人間。生命体。意思の疎通が出来て、仲良くなれないことはない。その逆も無論、同様ではあるのだが。
 だが、慣れ親しむにも問題はある。壁が生じる。文化の違いという壁が、だ。
 だから、一度馬鹿騒ぎをしてしまおうということになったのだ。
 最初は些細な提案だった。
 互いの国、互いの世界の酒や料理を持ち寄ろう。
 それがいつしか大きな話になり、いっそ街ぐるみで祭にしてしまおうという話になったのだ。
「アンタの国には仮装の催しがあるんだって?」
 祭を指揮するひとりにそう声をかけられたのは、こちらに来てそう間もない時のことだった。
「ハロウィンのことかな?」
「面白い名前じゃないか。それがいい、それをメインにしよう」
 男はえらく上機嫌で、それがいい、それがいいとしきりに頷いた。
「だけど、俺だって詳しいわけじゃないぜ」
「いいんだよ。どうせみんなバラバラなんだ。そうだ、お互いがお互いの格好をしよう。獣人も人魚もサイボーグも実在してるんだ。それぞれがそれぞれになっちまおうぜ」
 鳥の顔で猫耳のヘアバンドをつけ、獣の肌で機械のように振る舞い、魚の尾に天子の羽を生やそう。
 そういうごちゃごちゃな、誰が見たって魑魅魍魎の、闇鍋みたいな祭をやろう。
 想像してみた。思い描いてみた。
 ごっちゃごちゃで、ぐっちゃぐちゃの、混ざり混ざったカオスハロウウィン。
 良いかもしれない。
 何にせよ、楽しむがは、勝ちなのだ。


●yakigoteより

皆様如何お過ごしでしょう、yakigoteと申します。

今回、親睦会を名目に、幻想のとある街頭をお借りして祭を開く試みとなりました。
誰が呼んだのか、誰が言い出したのか、思い思いの仮装をしようという話になりまして、これを異世界の行事にちなみ、ハロウィンと名打ちさせて頂きます。
ルールはふたつ。

・必ず仮装をして参加すること。
・トリック・オア・トリートと声をかけられたら、トリック・オア・トリートと返してお菓子を交換すること。

つきましては皆様、どうぞ何時もとはまるで違う衣装に身を包み、あるいはかけ離れた存在に成りきり、祭が百鬼のひと角へ化け頂ければと存じます。
昼には催しを打守り、夜には古今東西の酒精や料理に舌鼓を鳴らし、日の回るまでお楽しみ頂ければ幸いです。
以下、催し物の一部例となります。
これと言った予定のつかぬ際には、お立ち寄りの程、お待ちしております。

【昼の部】
※屋台群※
日本の縁日的な屋台から、司会付きの射的場、ちょっとした噺屋まで、国柄、世界柄を問わず様々な屋台が混在しています。
慣れ親しんだ食事やゲームを楽しむもよし、得体のしれぬ魔女や商人から不気味な薬を買うもよし、祭、という空気を楽しむには最適でしょう。

※誰が一番汚いオークコンテスト※
一般的なミスコンから奇々怪々のホラーショウまで、小規模なコンテストはいくつも開かれていますが、一際異彩を放すのはこれで間違いありません。
醜い顔、出張った腹、嫌らしい笑い声。さあ、いつもと違う自分、というキャッチーなフレーズをちょっと汚してみませんか?
なお、樹木生物はレギュレーション違反となっております。

【夜の部】
※屋台群※
昼と違い、酒杯の類が混ざり始めます。
嗚呼、購入の際には貴方の国が、何歳になれば飲酒を許可されるのか正しく申告すること。
無理をして大人の階段を登っても、良いことは何もありません。

※仮装行列※
仮装をしたその格好のまま、列をなして練り歩く。
だけだそうです。
どうにも、ハロウィンと言えば一部の方にはそういうものであるのだとか。
百鬼夜行? ディア・デ・ムエルトス?

●備考

・秋イベント『爽秋の一時』シナリオでの同一参加は出来ませんのでご注意ください。


リプレイ

※1 当リプレイの返却はメールで通知されません。
※2 当リプレイはキャラクターの参加・注文状況・履歴には掲載されません。


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