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<闘技名鑑No.001>『魔法騎士』セララ
登場人物一覧
<闘技名鑑No.001>
『魔法騎士』セララ
●人物像
女性。異世界からやって来たウォーカー、13歳。金髪に赤いリボンがチャームポイント。
『魔法騎士』と言えば、まず彼女を思いつく人が多いのではないだろうか。
元気で明るく、正義感あふれる女の子であり、その美貌やアイドル性も人気のひとつ。
幼いながら、聖剣騎士団という精鋭のイレギュラーズを集めた独自の騎士団をまとめ上げるリーダーでもある。
現在はギルド、『ローレット』に所属し、東へ西へ奔走している日々との事。
●寸評
ラド・バウC級闘士(2020/05/07現在)。
彼女がラド・バウに参加し始めた当初はその外見やアイドルらしい仕草に、かのアイドル闘士パルス・パッションの対抗馬として何者かが秘密裏に持ち上げ、収益化を目論んでいるのでは、とまことしやかに囁かれていた。
しかし、そんな噂を一瞬で吹き飛ばすほど、彼女の成長と戦いぶりは目覚ましいものがあった。
何より彼女自身がそういったものを嫌っており、そういう手合いの者を追い払い、悪事を許さぬとばかりに憲兵に突き出した事件は有名である。
肝心の戦闘スタイルはと言うと、他の闘士と比べると特異なものであると言える。
『クラスカード』という独自の戦い方を用い、カードの切り替えによって衣装から攻撃方法まで千変万化する。
剣やナイフによる接近戦から、斬撃や剣圧を飛ばして遠距離攻撃も悠々とこなす。
このクラスカードによるいわゆる『お着替えシーン』を目当てに試合を観覧しに来る者も居るが、変身中は常に彼女の周囲は光に包まれているため、その瞬間を拝むことはまず不可能。オマケに一瞬。
尚、それでも必死に前へ乗り出し目を凝らしている者は後を断たない。ラド・バウ側はそういった不健全な者たちに対し、往々にして出禁対応を取っているようである。
やめようね。
──話がそれたが、戦闘スタイルが固定化されておらず、相手や状況によって変化する戦い方というのは対策が取り辛い。
同クラスの闘士たちは、苦手な対戦相手や再戦したくない闘士を聞かれると、彼女の名を挙げる者も居る。
戦術としては先の通り、相手や状況下に合わせて変化する。
だが非常に高い突破力は全てのスタイルに共通されており、彼女の唯一の持ち味と言える。その苛烈な攻撃や手数を武器に勝利をもぎ取る事が多い。ラウンド開始から、わずか10秒足らずで対戦相手を地に沈める事もあった試合もあったほど。小細工などは一切行わず、真っ向からの正々堂々とした戦いを好む様子。
攻勢時に使用されるクラスカード・セラフィムフォームから繰り出される『セララスペシャル』、カラミティフォームの『セララストラッシュ』は比較的よく使用される主力技。かわいらしい衣装と相まって人気が高い。
『セララフェニックス』は燃え上がる炎を纏い、身を焼くダメージを代償に相手を攻撃すればするほど己の傷を治癒させていく不可思議な技。原理は不明だが、この技の前にどうしようもなく負けていった闘士も多い。
『スピニングセララソード』は相手を寄せ付けぬ回転攻撃で、けん制の意味合いでも使われる汎用的な技であるようだ。
またニンジャフォームから繰り出す、音もなく距離を詰め寄る『ニンジャセララアタック』は強襲やとどめの一撃にもよく見られる。
なお、彼女は火力一辺倒ではなく防御面に関してもスキが少ない。突撃時や防戦時に使われるラファールフォームやアーチャーフォームによる超機動や機敏な動き、そして小さな体躯を生かして生半可な攻撃はさらりと避けてしまう。無論その後に待っているのは、華麗にして強烈なカウンターである。
攻防のバランスが取れているゆえに苦手な状況下や戦術が少なく、幼いながらも卓越したバトルセンスがある事が窺える。
そして忘れてはならないのは、最も人気が高い魔法騎士のクラスカード・オリジナルフォームより繰り出す『ギガセララブレイク』!
ここぞという場面でしか使われない超必殺技で、まさしく圧巻の一言。これを観に来る観客も多い。
このように、彼女は多岐に渡る攻撃手段を持ち、ただ勝つだけではなく、見る者を熱く滾らせるような『魅せる』戦いが出来る闘士なのである。
彼女は試合後のファンサービスも欠かさず、試合後に握手会やサイン会なども頻繁に行っている。
有志が作り上げたグッズのみならず、自らも監修したグッズも販売されており、その売れ行きも好調である。
パルス・パッションのように、着実にアイドル闘士の道を一歩ずつ歩んでいる様子。
かく言う私も、彼女のファンである。これを読んでいるあなたもぜひ一度、彼女の雄姿を見に行ってみてはどうだろうか。
(ジャーナリスト:ユタ)