SS詳細
氷炎祝毒壁
登場人物一覧
区分:片手持ち(盾)
設定:ヴェルーリアがザビーネ一家の力を借りて作り上げた黒き竜篭手。怨毒をザビーネがさらに強力に付与し、二人の従者竜がそれを固着させた。毒素は持つものを蝕むが、今はそれも勇気に変えられる。
以下細かな設定。
『ひょうえんしゅどくへき』。
ヴェルーリアが最終決戦に際し、ストイシャに相談を持ち掛けたことから自体が発展した。
「……まぁ。私のその、残滓がこのような形に」
とは怨毒呪壁の実物を見せられたザビーネの言である。ちょっと恥ずかしそうだった。
ヴェルーリアにしてみれば、奇妙なことにこの盾はある種の相棒のようにもなっていた。自分の戦い方、心、そういったものに強く合致していたのだ。ヴェル―リアには、竜への憧れがある。その心の中を深く語ることはここではないが、それも相まっての、『相談』であった。
その想いに、ザビーネは快く承諾してくれた。ストイシャの友であるヴェルーリアである。断る理由はない。
ザビーネは、形状を篭手へと変更したその盾に残されていた怨毒の残滓に、己の力をさらに注ぎ込んだ。これだけでは、とてもではないが人には耐えられない毒物が生まれるだけだが、そこにストイシャと――なんか顔を出したムラデンが力を貸してくれている。
「寂しかったんじゃないかな……」
とはストイシャの言。
さておき、ザビーネの怨毒は、ストイシャとムラデンの力を合わせて盾に強力に固着、封じられた。人の扱えるレベルにまではおちた形になるが、それで充分だろう。
かくして、竜の力を合わせた勇気の篭手は完成する。従者竜の力を合わせてなお、固着した毒はもつものを蝕むだろう。だが、ヴェルーリアは、その痛みすら勇気に、力に、変えることを誓う。生きることを思い出し、大切なものを守る力に変えられる。
「たとえ、竜混じりのこの姿になったとしても。
恐怖に負けず、狂気に堕ちず、皆を助けられる私でいられるかもしれない――ううん、絶対なって見せる!」
その誓いは、その想いは、きっとこの篭手とともに叶うはずだ。