SS詳細
ん。うるママ、なに知りたい?
登場人物一覧
名前:ベビオラ
種族:人間種
性別:女
年齢(或いは外見年齢):半年(現在5歳程度)
一人称:べび、名前の一部をひらがな言いきり
二人称:○○パパ、○○ママ、~の人
(○○には名前の一部orその人の特徴等をひらがなで、語感重視。
相手に危険を感じる場合カタカナ。
~にはベビオラの直感認識。「怖い人、虐める人」等。主に不信感を持つ相手に対して)
口調:言い切り口調(~。、~する、~した?)
特徴(内面):子供、天然、浮世離れ、好奇心旺盛
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特徴(外見):ロリ、目が大きい、長髪(ロングレイヤー)
身長/体型:小柄/やや痩せ型(現状は小学1年生くらいなので肉体にメリハリなし)
髪色:銀
肌色:白
目の色:オッドアイ(左:緑 右:紫) ※元々は深紅
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好きなもの/こと:ママとパパ達、ぬいぐるみ、絵本、楽器遊び、雪遊び、ミートパイ、狐、蛇、ワイナリーのぶどうジュース、シャケ、楽しいこと
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設定
ウルズをはじめとするイレギュラーズ達によって救出され、育まれ、成長した少女。
元々は綜結教会が『肉片を継ぎ合わせるのではなく、1つの身体に無数の血液や魔力を適応させることで戦略兵器としての価値向上を図った』実験体であった。
(実験には新鮮な人間種の子供の身体が必要であり、彼女も信者の子供だった可能性が高い)
拒否反応なく他者の血ごと魔力を取り込める体になるよう、様々な投薬や人体改造を施されており、完璧ではないものの『血に残された人々の知識や記憶の一部を垣間見ることが出来る』、『人の魔力の流れが見える』、『血から魔力の残滓を抽出し自身の魔力に同調させることで、強力な魔術を放つ』力を持つに至っていた。
そのまま改造等が続けられれば、肉体維持の消費が少ない子供姿で各所に潜入し人々を殺害。血を回収してより強力な兵器となる人生をおくったかも知れない。
遂行者ダラスの事件にて多量の血を消費。更に普通の子供として助ける事を望んだウルズのパンドラが血を通じて作用し能力はほぼ喪失。現在は普通の成長速度、年齢の割に言葉等を知っている(意味はあまり把握していない)程度に収まっている。
イレギュラーズ達の教育により「良い子、仲良く」等を大切にする子供に。
何も知らぬベイビーから心優しい少女に成長している最中である。
心はまだ赤ん坊だが、体は既に幼女。
次のプレゼントは新しい名前だろうか。
最近毛先がママの地毛と同じ色(茶?)に染まり始めたらしい。
おまけSS『ママは狼だから』
「すー……すー……」
「……今日は結構早く寝てくれたっすね」
ワイナリーの宿所に差し込む月明りが、銀糸の髪に優しく反射して。
「最初の頃は中々寝つけなかったみたいっすけど」
今ではこうして頭を撫でてやっても、気持ち良さそうに顔を緩ませてくれる。
「ん……」
「あはは、ごめんね。くすぐったいね」
彼女は小声でそう告げると、そっとベットから抜け出し身支度を整えた。
「烈華良し、シューズ良し、ピアス良し。ワイナリーの皆にお世話は頼んであるから、後は……」
棚の上に置かれた小さなペンダントに手を合わせる。
それは過日に討伐した魔種の所持品で、中にはあの時撮影した大切な日常の一コマが入れられていた。
「ラティオラ。ちょっとの間ベビちゃんの事、頼むっすよ」
本当なら、もう片時も一人にはしたくない。
それでも、やらなきゃいけない。
だってママは先駆ける狼で、持ち帰る狼で、救急搬送班だから。
助けてあげたい先輩がいて、救わなきゃいけない世界があるから。
こうした危機に救助を掲げて駆けつけたからこそ、あの日貴方を救い出せる運命を掴み取れたから。
「……行ってきます」
静かに玄関のドアを閉め、キャップを被れば、荒事担当準備良しだ。
その時冬の名残たる一筋の風が彼女を撫でた。
首元にはためくマフラーは無いが、寒いなどとは思わない。
抱きしめてもらえなかった悲しみは、抱きしめてあげたい愛しさに変わり。
彼女の中でずっと横たわっていた氷を、思いの熱で溶かしていたから。
彼女は――ウルズは駆ける。
この先の未来のために、今できる全てを為すために。
「ん……うるママ……いい子で、待ってる……」
小さな寝言は、再び寝息へと戻って。
温かな部屋で主を待っている。