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星降る夜のおもいで
登場人物一覧
品物:光輪のピアス
名前:星降る夜のおもいで
フレーバー:ステラがアルムへと贈ったアクセサリー。あの素敵な思い出がいつまでも残りますように。
アルムから様々なプレゼントを貰い、手紙を交わすことでも親密度を深めていったステラ。
彼女はこれまでの感謝と、これからの未来への希望を込めてアクセサリーを贈ることにした。
その際には以下のようなエピソードがあったという。
●星降る夜へのねがいごと
「店主さん、店主さん、欲しいものがあるの」
ある日の夜、プーレルジールのプリエの回廊にて、アクセサリーショップを営むゼロ・クールに向けてステラは背伸びをして問いかけた。
「おや、お嬢さん。こんなところに来るとは珍しいですね? アクセサリーをご所望ですか? お嬢さんに似合うのは……」
慣れた手付きで店内を物色し始めようとしたゼロ・クールに、ステラはピッと手をかざして制止を求めた。
てっきりと自分用のアクセサリーを買いに来たのだと思い込んでいたゼロ・クールはぴたりと動きを止め、翳したステラの手のひらを見つめる。
「おや、おや、もしかして……プレゼントですか?」
ゼロ・クールの問いかけに、ステラは少しばかり頬を赤らめて続けた。
「そうなの。大事な贈り物なのよ。けれど、わたし、そんなことって初めてだから……」
わからなくて……。と消え入るように呟くステラに、ゼロ・クールは微笑みを浮かべた。
「へえ、それはそれは。お相手の方も幸せでしょう。それで、どんなアクセサリーがご所望でしょうか?」
「どんなものがいいかしら」
質問に質問で返すのは……などと無粋なことを言うゼロ・クールではない。暫し黙ってステラの顔を観察すると、頭上の光輪に目をつけた。
ステラが何かしらの想いを込めるなら、自分にちなんだものがよいだろう。そのように考えて。
「それでしたら、お嬢さん。あなた自身をモチーフにしたものをお贈りするのはいかがでしょう」
「それで……喜ぶかしら」
不安。期待。それと少しの賭け。
ステラの表情に浮かんでいるのはそれだ。
「その人は、あなたのことが大好きですか?」
「ええと……たぶん……」
これもまた、期待と不安。もしかしたら、それを確かめるためのプレゼントなのかもしれない。
ゼロ・クールはこくりと頷くと、光輪に似たアクセサリーを手に取った。