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社(やしろ)
登場人物一覧
狂神・稲荷神によって作られた組織。
最終的な目標は世界を再誕させること。
全て合一の、あらゆる不幸のない世界を望んでいる。
そのために世界を滅ぼすのが、現段階での目的となっている。
組織として社(やしろ)は杜(もり)と対立するが、単に言葉として杜(もり)や社(やしろ)と表現する場合、どちらの組織から見ても『自陣営』を意味することが多い。
そのためあまり正確性の高い区分ではないが、書面上はこのように分けられている。
元々狂神はほぼ単独で、あるいは少数の手勢と共に世界各地を転々としていた。
ある意味では真っ当に組織を作り上げようとする式神・稲荷神と違い、狂神はどちらかというと他者を一方的に利用する性質が強い。古くから強欲や傲慢の魔種達を由来とする強い『狂気』を纏う彼女は、社会的な行動が苦手であるからだ。
また信仰心も力となる、混沌におけるある種の自然現象に近い式神・稲荷神と比較して、怪物に成り果てているとはいえ旅人(ウォーカー)であった狂神は、力を得るメカニズムが大分違うことにも起因する。即ち『レベルを上げる』しかないのである。とはいえ長年にわたって滅びのアークの影響を受け続けた狂神が、現在も人の枠に収まるかには疑問が残る。思念のみを残して、人としては破滅してしまっている可能性も高い。つまり正真正銘の怪物になっている恐れが大きい。
また単独行動を好む理由には、式神・稲荷神に裏切られたという経緯も尾を引いているに違いない。
いずれにせよ狂神は、メタトリアなどの少数の傑作機との共同作業を除き、集団行動をしてこなかった。
だが数十年前にラバトーリと接触したことで状況は一転した。
狂神をあがめるに至ったラバトーリは、自身の組織である綜結教会を結成した。
社(やしろ)の下部に教会が存在するという構造は、現在ではその更に末端となる各種組織と多重構造を形成する礎となっている。
ラバトーリは狂人に成り果てていたが、組織作りには才があり、近年の巨大化に役立った。
そして実験材料の調達などに生じるリスクも低減されたことになる。
ラバトーリの作り上げた多重組織はトカゲの尻尾として切り捨てやすく、狂神陣営はかなりの安全性を手に入れることに成功した。
現在の社(やしろ)は、綜結教会を中心とした巨大組織の頂点に位置することとなった。
そして組織をあげ、冠位傲慢陣営と手を携えたのだった。