数多呑み込む、星空の泥

登場人物一覧

「其は混沌に揺蕩う力。遍く存在（モノ）の根源の力。
　根源たりうる力は泥濘、煌めき込めれば光も育む星空の泥。

　数多の星々は煌めき輝き、その狭間にある星々の海は夜の空色（ナイトブルー）に見える黒。
　光の間にある闇は、数多の存在（もの）を漆黒の運命に呑み込むだろう。

　呑み込め、泥よ。混沌揺蕩う星空の海よ。
　混沌（ケイオス）より形を変えし僕の星海、星空の一つの形。
　僕の敵を呑み込む、光闇抱きし星空の泥（シュテルンタイド）！」

おまけSS『光もあれば闇もあり、それらを有する星空がある』

ヨゾラという特異運命座標は、星々煌めく星空を心の底から好んでいる。

しかし、星空という存在を知りたくて色んな本を読む内に知ってしまったのだ。
煌めく星空には、星という光と……その合間の空間、漆黒の暗闇がある事を。

ヨゾラは闇が怖い。
混沌への召喚の前に遭遇してしまった、闇の炎の禁呪紋を恐れている。
だが……だからといって、闇があるからといって綺麗な星空を嫌いたくはなかった。
光があれば闇もある。合間の漆黒もあってこその星空なのだ。
星々の光で漆黒は綺麗な夜の青色（ナイトブルー）になり、僕等を癒してくれるのだと……。
厳密には違うかもしれないが、ヨゾラはそう思ったのである。

だからこその星空の泥。敵を呑み込む星空の泥（シュテルンタイド）。
数多呑み込む星海（ほしうみ）は、彼の理想の一つ……星海（正解）でもあるのだから。