SS詳細
枯蝕の魔女
登場人物一覧
名前:『
種族:精霊
性別:女性
年齢:unknown
一人称:わたくし
二人称:呼び捨て
口調:です、ます、ですわ などの穏やかな口調
特徴:御伽噺の『魔女の魔法』、魔力喰い
設定:
混沌世界で時折、発見される『
気紛れに世界を飛び回るエヴァンズは年端もいかない子供に悪戯を仕掛けるのだそうだ。
それは、人の体に深く種を埋めるということ。種は芽吹き、寄生主の体に救う。種は、魔力を好むが故に『魔女の魔法』と呼ばれている。
魔力欠乏症と称する状況に陥った子供は、満足に体を動かすことが出来なくなる。虚弱体質になり、種が無理矢理魔力を作り出そうとするため魔法の素養が無い子供は死に至ることもあった。
この奇病に適応することが出来る物の多くが、幻想種であるという。幻想種達は大気中のマナやファルカウの加護を身の内の魔力に変え、奇病をある程度抑えることができたのだそうだ。
魔女の魔法は、長い時間を掛けて育って行く。体の中に深く根付いたそれがどの様にして消えるのかは分からない。
精霊エヴァンズは混沌世界の何処かを彷徨っているらしい。その姿は美しく、見る者の視線を奪う。
魔女帽子を被った精霊は自らが『枯蝕の魔女』と呼ばれていることを知っている。
魔女帽子を被った精霊はその由来こそ自らの業であると知っている。
魔力を好み、魔力を喰らう精霊が通った野は枯れ果てる。生気を奪い、魔力を奪い、鮮やかな花の一つも残さない。
彼女が過ぎ去った後は黒く濁った気配と、腐り落ちた草花だけが残っているのだという。
それが精霊の持ち得た不運な能力であり、彼女の存在そのものを表すのだという。
彼女ならばきっと『魔女の魔法』を解く方法を知っているのだろう。
身の内の種は、エヴァンスのマーキング。魔力の花が咲く頃にエヴァンスは全てを攫いにやってくる。
その花が咲く前に彼女を捕えることが出来たならば、屹度――
……けれど、エヴァンスのことだって、御伽噺のひとつなのだと人は言う。