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苦悩の果て

登場人物一覧

アーマデル・アル・アマル(p3p008599)
灰想繰切
アーマデル・アル・アマルの関係者
→ イラスト

名前:ライアン・ロブルス
種族:人間種
性別:男性
年齢:26歳
一人称:俺
二人称:お前、君、~さん、ロニ、ティナリス
口調:だ、だな、だろう?
特徴:黒髪黒瞳の美形の男性。
設定:
 天義聖騎士団グランヴィル小隊の騎士。
 四年前の戦いで生き残ったグランヴィル小隊の一人。
 大部分を失ったグランヴィル小隊にとって貴重な戦力である。
 神聖魔術、剣術共に優れた才能を持つ。
 グランヴィル小隊の実質的なリーダーのような存在である。

 天義聖騎士団の中でもグランヴィル小隊は強力な部隊だった。
 代々グランヴィル家から小隊を率いる為に士官が送り出される。
 四年前に殉教したパーセヴァル小隊長は類い希なる才能を持ち、小隊を率いていたのだ。
 ライアンはその才覚を買われパーセヴァル直属の前線部隊に配属されていた。

 四年前の戦いの最中、幼馴染みのロニ・スタークラフトを敵影に見つけた。
 アストリア枢機卿が持つ幾つもの聖銃士隊のうち、末端部隊に配属されていたのだ。
 応戦したグランヴィル小隊の攻撃もあり、その部隊は壊滅した。
 見知った顔が何人も居た。
 アーデルハイト神学校で同期だった奴も、巡回の途中でたまに見かける銃士も。
 所属していた場所が違っていただけ。
 そんな彼らを、自分の手で殺したのだ。

 戦って行く中で、進軍したライアンの目の前に血塗れのロニがいた。
 震える手で壊れた銃をライアンへと向けたロニ。
 けれど、引き金は引かれなかった。
 目の前に居るのが幼馴染みのライアンだと気付いたのだろう。
 一瞬躊躇したロニは、諦めたように、死を受入れた顔で「俺を殺してくれ、ライアン」と零した。
 ライアンは咄嗟に自分の黒衣のマントをロニに被せ聖銃士の服を隠した。
 小隊の仲間に隠れて、ロニを逃がそうと思ったのだ。
 しかし。
「――何をしている」
 その言葉に振り向けば、パーセヴァルがこちらを見つめていた。
「……だめ、だ。ライアン逃げろ」
 ロニのうめき声と眩いばかりの光に包まれた視界。

 その瞬間何が起ったのか。そんな問いかけにライアンは口を閉ざす。
 ロニも語ろうとはしない。
 けれど、事実として。
 尊敬していたパーセヴァル・ド・グランヴィルはこの戦いで命を落した。

 ――あの日から四年経った今でも、何が正解だったのか分からずにいる。

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