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『葬竜』カプノギオン
登場人物一覧
名前:『葬竜』カプノギオン
種族:竜種
性別:男性
年齢:unknown
一人称:僕
二人称:~さん、~様
口調:だ、だろ、だろう
特徴:将星種『レグルス』
設定:
将星種『レグルス』に分類される竜種の少年。
竜としては年若くはあるが将星種『レグルス』の中でも自身は強大な力を有していると言って憚らない。
亜竜集落フリアノンの巫である『冥家』にも深い繋がりが存在し、巨竜フリアノンの側付であったという『葬竜』の系譜である。
その『通り名』から死を告げる存在ともされており、その姿を見た者には不吉が訪れるという伝承も残されていた。
――が、カプノギオンはあくまでもその系譜であるだけの発展途上の竜である。
生れ落ちた時から『竜王』と呼び慕うベルゼーに懐いており、たびたび自身の祖先を祀るフリアノンの祭壇の視察に連れて行かれた事がある。
その際には巫である『冥・璃煙』という女に世話になり彼女を母のように慕っていた。
璃煙が一時期姿を消し、子を産み落としたが使命のために郷に戻ったと聞いたカプノギオンは彼女の抱える後悔を感じ取り助言したという。
「僕が璃煙様の吾子の代わりになろう。僕は竜だ。半端なことでは死なず、祖たるフリアノンを護る為の力にだってなれるだろう」
その日からカプノギオンは璃煙が思い描いた『我が子』の姿を形取っている。
それは璃煙が見ることの叶わなかった愛しき一人息子の幼少期の姿――ルカ・ガンビーノの幼き日の姿にも良く似ていた。
カプノギオンはただ、ただ、母様(璃煙)の事だけを慈しんでいた。
それは彼女が竜骨フリアノンの祭壇を護る巫であったからだ。同じ信仰を抱きし者だ。見据える先を違えることはない。
竜であるカプノギオンがただの亜竜種に此程懐いたのは只の偶然だったのだろう。
女がフリアノンの祭壇を護る巫であったこと。女が苦心しながらも子と別たれたこと。何よりも、カプノギオンが母を知らなかったこと。
――それから、女が『竜王様』に着いて行くと決めた事。
「僕が母様を護ってあげるから、大丈夫だよ」
甘言を口にするその竜の本来の姿は漆黒の翼を有し、黒き靄を生み出す悍ましきものなのだという。
故に『葬竜』
不吉をも周囲へと広げて行く凶兆の翼。