PandoraPartyProject

SS詳細

小鳥の歌

登場人物一覧

フルール プリュニエ(p3p002501)
夢語る李花
Melting・Emma・Love(p3p006309)
溶融する普遍的な愛


 此度の依頼は依頼は簡単なものであった。
 なんといってもまるで探偵のような仕事。
 迷子の子猫を探しに海洋をしらみつぶしに歩き回り、やっと見つけたかと思えば、子猫の警戒心が強すぎて鬼ごっこ!
 最終的には、きちんと飼い主のもとへ返すことはできたのだが、………冠位の魔種の討伐からペット探しまで請け負うイレギュラーズの器量の広さとは計り知れぬものである。
 とはいえ、時刻は昼間を過ぎて夕方に差し掛かっていた。それもそうか、依頼人から報酬を受け取った時には、既に遠くの海は赤く染まりかけていた。1日を費やし依頼を終えたということなのだ。
 指の先が真っ赤になるほど冷えるこの時期だからこそ、日が海の底へ帰っていくのも早い。
 すっかり夜のとばりが落ちて、自分の影さえどこにいってしまったかわからぬ暗い道を『溶融する普遍的な愛』Melting・Emma・Love(p3p006309)と『夢語る李花』フルール プリュニエ(p3p002501)は並んで歩いて行く。しかしその足取りは、依頼が終わってルンルン! と言うよりは、何処か疲れた様子だ。幼子まではいかないが、普段は花のように元気な笑顔も体力というものに縛られて疲れ切っている。
「今日、幻想に帰ることはできないわ」
『同意なの』
「泊まるところを探さないといけないわ」
『それも同意なの。そう言えばここに来る時に、宿って書かれたところを見かけた気がするの。今から頑張って思い出してみるの』
「頼りになるわっ!」
 光の灯るように明るい笑顔を見せたフルールに、同じように笑顔で返したMeltingは、あっちかも、こっちかも、とフルールの手を握って歩き出す。人通りのある場所を成るべく歩きつつ、大通りに出れば、先程の暗さは一掃された。
 眠らない街のように明るい繁華街を闊歩し、街行くお祭りの雰囲気を堪能しつつ。
 そして、一眼見れば誰でも分かりやすい場所に宿があり、ホッと一息をついた二人は本日の宿を手に入れたのだ。

 今や海洋は活気に湧いている時期。勿論、イレギュラーズだけではなく、特に海に近いこの周辺は外部から来た人でごった返している。同時に、その彼等が泊まる宿というのも盛況なのだ。
 つまるところ、一部屋しか空いていないようだったので、Meltingとフルールは同じ部屋でひとつのベッドを共有することとなった。とはいえ、異性ならまだしも、見知った二人ならば特に忌避するような出来事では無い。
 早速部屋に入り、まず二人は速攻浴場へと向かっていった。よく浴場でイタズラをするMeltingが目撃されることは多々あるが、今日のお疲れモードの為か、Meltingも真面目にお風呂へと入り疲れを癒したらしい。
 そして、二人は部屋へと戻る。
 お泊まりに胸を高鳴らせるフルールは真っ白なベッドに飛び込んで跳ねた。
「あははは! 楽しいよ!」
『楽しそうなの。Loveもやりたいの!』
 フルールの隣にダイブしたMeltingは、その体の柔らかさから一度ベッドの上でビチャっと伸びたが、すぐに形状記憶で戻り元の姿で起き上がる。その光景を見ていたフルールは口元を押さえながら笑った。
「面白いわ! その身体、どうなっているのかしら!!」
『Loveは、Loveなの』
 ほぼ何も纏っていないようなMeltingの身体にフルールが指先で触れると、弾力とハリのある素肌が押した分だけ内に入り、跳ね返す。と思えば、もう一度指先で押してみれば、フルールの指先はとぷんとMeltingの身体の中に入り込んだ。フルールはそれが面白いようで、何度も何度も繰り返して遊び始めていく。Meltingはまんざらではないようで、彼女が落ち着くまで身体を触らせていく。
『ね? 特殊なの。旅人だから』
「不思議……不思議!」
 どうやらフルールの好奇心を大きく拾ってしまったMeltingは、フルールに押し倒されるがままにベッドへと仰向けとなった。こうやって下から誰かを見上げるのは、Meltingとしては久しぶりかもしれないと染み染み思った。
「もっと沢山触ってみても、いいかしら!」
 見た目は少女ではあるが、フルールの心はもっと幼い純粋なものを飼っている。その興味は飽きるまで尽きることはなく、Meltingこそ、その気持ちが良く理解できるからこそ、再びフルールが満足いくまで好きにさせていた。
 ぷよん、ぷよん、ぷよん、ぷよん。ぼよん。
 冷たい水のようなMeltingの身体の上を、フルールの細く、そして温かみのある指先がなぞるように辿って行く。ゼリーや、ゴムのボールのような不思議な肌触りを持つ身体は、何処を取ってしても触り心地が面白い。
 Meltingの両頬を掬うようにそっと両手で包んだフルール。その頭の上には、疑問符が飛んでいる。
「どうしてこんな身体をしているの??」
『Loveが生まれた時からこうだからわからない』
「お母様や、お父様も、こんな感じなの?」
『それは……ンッ』
 ぴくん、と。自分の身体を這うフルールの指先に反応して、Meltingは身体を捻らせた。こういうマッサージは、Meltingに取っては愛し、愛されるという行為そのもの。肉体での接触を図ってくるフルールに、そんな真意はきっとないのだろうが、ある意味それがMeltingには挑発となっていた。もちろん、フルールもそんな挑発をしているとは、思ってはいない。
『Loveも、マッサージしてあげるの』
「マッサージ? してたかしら?」
『してたの。だから、お返しするの! Love、こういうの得意だから安心してほしいの』
 こくんと強く頷いたMeltingに押され、マッサージ………一般的なマッサージは確かに指圧でぷよんぷよんしていたかもーーーそういうものだったかもしれないと。フルールは、なんとなーく雑に理解した。
「ひゃあっ!」
 と、今度はフルールが身を捩った。
 本来、人間の生身とは温かみのあるものだが、Meltingのは違う。氷ほどまではいかないけれど、体温としては換算できない冷たさがフルールの服の中に入ってきたのだ。それが、より神経が集まっている場所に触れれば、条件反射で反応はしてしまう。
 ただ、冷たいものに触れられたからとはいえ、本当なら熱を奪われるはずなのだが、Meltingに触れられた場所は不思議と熱がこもって行く。
 フルールはこういうことは、知らないことだ。
 好奇心が更に燻ってくると同時に、その気持ちよさに身を任せていく。抵抗は無かった、抵抗をするというところまで思考は回らなかったのだ。
「冷たい、わよ……でも、きもちいかも」
 軽く顔を上げ、Meltingへ訴えかけるような瞳でフルールは見上げた。その瞳は先程と同じ少女の好奇心の色で埋め尽くされている。
 沢山気持ち良くなってもらうこと、それがMeltingの幸せだとするならば、フルールが発した一言は薪に火をくべるようなものだ。その為、Meltingの瞳にはやる気と言う名前の火が灯る。むんっと、お腹に力を入れてから、いつもの媚薬が入っている瓶をどこからともなく取り出し、そしてファイト一本、一本、そしてすべての瓶をグイッと飲み干した。
『Love、たくさんがんばるの』
「ん、ひゃっ!」
 Meltingの顔は笑顔のままで、それこそ獲物を前にした野生の鋭さのようなものも秘めていた。Meltingはゆっくり、そして丁寧にフルールのお腹の上あたりを撫であげるように、手を滑らせて行く。
 不思議な感覚であった。フルールにとって、今日は不思議なものばかりである。
「……ぁ、な、……はあっ」
 フルールは自分の体をねっとりと這う腕に翻弄されていた。触れられれば触れられるほど、身体の奥が、触れられたところが、頭の奥深くが、頬の辺りさえ、熱く熱く熱を持って行く。遂には股の間さえじんじんしてくるようで、思わずフルールは太ももを内側に擦り付けてみるのだ。
「楽しいの、これが、なんなのかわからないけれど、でもわかるまで、してほしいの」
 とろんとした笑顔で、Meltingな体をぎゅぅと抱きしめた。その肌に触れたところが、急激に熱い。
「あなたの身体は冷たいのに、熱いの、おかしいわね??」
 それは。
 Meltingは良く知っていた。自分の身体には媚薬が溶け込んでいることを、だからこそ、こうして肌接触してしまうと相手を気持ち良くとろけさせる事が出来るのを。ベッドの下に転がる複数の瓶がそれを物語っている。今頃、Meltingの全身に行き渡った媚薬。つまりMelting自体が媚薬の塊のようなものに、なっているのだ。恐ろしい存在である。えっちっちといいしょうぶだ。
 でもそれは敢えて語らずに、魔法みたいなものだと思ってくれた方がメルヘンじゃない?
 すでにMeltingという罠にハマってしまった花(フルール)は美しくも愛らしくなっているのだから。囀る声は小鳥のもので、瞳の端から溢れる涙は悲しいものなんかじゃない。
『フルール可愛いの』
 その滴を、Meltingは優しく舐めとる。しょっぱいけれど、悪くはない。
 そしてMeltingに耳元で囁かれ、フルールの体に甘い痺れのような感覚が湧き上がる。フルールは頬を赤らめて俯いた。少しばかりおおらかになり過ぎている自分に気づいたのか、おしとやかに恥ずかしがるフルール。少し顔を横に向けて、目線を合わせないようにぎゅっと瞳を瞑って次の刺激を待っているのだ。
 フルールの腰に回されたMeltingの手。少しずつだが、丁寧に、フルールが着ていた洋服は元の位置からかなりズレて肌色が見え隠れするところとなっている。
「…あ、き、汚いから、そんなところは、触れちゃ、だめ……あっ」
 お構いなしにMeltingの進撃は続いて行く。冷たいMelting手がフルールのお腹から下を探っていく感触を感じていた。その度に、フルールは喉から出る声を抑えようと口元をぎゅっと両手で抑えたのだ。これはマッサージなのだから、こんな声は違うのだと脳内で理性が告げるのだが、身体は至って正直らしい。
 更に太腿の内側を撫でられると、フルールは少し恐れにも似た感情を抱く。段々と過激さを増すMeltingの指先に、これ以上はいけないような気もすると、言い訳の言葉を紡ごうとするけれど。
 それでもフルールの口から押されられずに漏れたのは、熱に浮かされたような甘美なる美声だった。
 Meltingの悪戯に、純粋に反応する。そんな光景に、支配欲か、それとも単純な嬉しさからか、曖昧にも笑顔そのものを見せるMelting。
「ん……ぁ、その先、いくの?」
 細く絹のように白い太腿を割って入ったMeltingの指が、疼きだすフルールに優しく触れた。
「きゃっ、んん………ぁ」
 Meltingの腕は絶えずフルールの体を濡らしていた。ちゃぷちゃぷと音の出る指先は、しっとりとフルールの両足を濡らし、歪な感覚に思考の奥深くまで熱を浴びたフルールはベッドのシーツを掴んで耐えるのに必死だ。
 そしてMeltingはそんなフルールを満足げに眺めると、下着の上から押し付けるように身体を密着させた。少し、Meltingの身体がフルールに擦れればそれが刺激となってフルールの腰が跳ねる。抱き合ってるだけなんだけどね、薬の力ってすごいね。たまにフォローいれないと全年齢じゃ無くなるからね。
 そしてMeltingがフルールへ押し潰すように身体を擦り付けたかと思えば、優しくあやすように、フルールの頭をゆっくりと撫でた。
『可愛いの、しっかり、感じてくれてるの』
「んん……ふぁ」
 繰り返されるうちに、フルールの脚は、いや、身体全体がすでに力が入らずにぐったりとしてきている。
 しかしまだMeltingの猛攻は留まるところを知らない。とぷとぷと水音を出しながら、Meltingはフルールの首筋を舐めて行く。耳元で音を聴かせるようにわざと音を出しながら、耳たぶを甘噛みすると、フルールは小さな嬌声を上げた。
 フルールの指先にMeltingの指が絡む。更に深いつながりを求めるかのように、強く握られたお互いの指。それは互いに限界が近いのも意味しており、出来ればこのまま不思議な感覚に溺れたままでいたいとかんじながら、夜深く、朝日が顔を見せるまで嬌声は続いていった。

  • 小鳥の歌完了
  • NM名
  • 種別SS
  • 納品日2019年12月23日
  • ・フルール プリュニエ(p3p002501
    ・Melting・Emma・Love(p3p006309

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