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SS詳細

『Kyrie eleison』エリカ・フユツキ

登場人物一覧

クロバ・フユツキ(p3p000145)
深緑の守護者
クロバ・フユツキの関係者
→ イラスト

名前:『Kyrie eleison』エリカ・フユツキ
種族:人間種
性別:女性
年齢:13歳
一人称:私
二人称:貴方/貴女(クロバに対しては『死神さん』)
口調:~です。~ですか?
特徴:
 天義の中西部にあるエルエア修道院のシスターとして生活していた少女。
 本来の名はユーティア。孤児であるため家名はない。
 修道院は小さいながらも長い歴史を持ち、織物や作物、ワインなどを生産していた。
 そして修道院とエリカは、討伐された魔種アストリア枢機卿と不思議な関係があった。

 アストリアは邪悪な性格だが、天義に潜伏し枢機卿まで上り詰めたほど、社会性それ自体は高い。
 そして執政官エルベルト・アブレウと心からの交友を結ぶなど妙に人間らしい所がある。
 修道院では優しく振る舞い、様々な便宜――多くは不正な物であったが――を図ってやっていたらしい。
 実はアストリア自身が反転する以前に所属していた場所でもあったようだ。
 エリカはアストリアに良く懐き、アストリアもかつての自身に良く似たエリカを可愛がっていたようだ。

 修道院は魔種アストリア枢機卿が懇意にしていたため、冥刻のエクリプス後に風当たりが強くなる。
 シスター達はいずれも清廉潔白だったが、国民からは敵意ある視線を向けられ、異端審問や宗教裁判などを実施すべきといった要望が数多くあった。
 そこでシスター達を守るため他の修道院などへ逃がし、修道院は取り壊されることにいなる。
 けれどアストリアに可愛がられていた少女エリカには行く宛がなかった。
 彼女はであった。

 クロバはそんな彼女をエリカと名付け、聖職者として独り立ち出来るまで、引き取ることにした。
 というよりも状況上、ほとぼりが冷めるまで深緑の領地に住まわせる他になかったのだ。
 アストリアを討伐したクロバ自身が、彼女にとってはことを知りながら――

 初めは口も聞いてくれなかったエリカだが、最近では打ち解けた様子を見せる。
 だが自尊心が低く悲観的で、時に希死念慮や依存が見られる。

 時は折しも天義に不審な神託が降り、きな臭さが広がりつつある今。
 優秀な聖職者、つまり神聖魔術師が一人でも必要な状況となり、優秀なエリカは神学校への特待待遇と現場の聖騎士の補佐、及びイレギュラーズとの共同作戦要員として、再び天義へ招かれた。
 クロバは心配したが、彼女はそれを強く望み押し切ったのだった。

おまけSS『主よ汝を哀れみ賜え』

 エリカは真面目で落ち着きのある少女だ。
 勉学は優秀であり、神聖魔術師としての適正も高い。
 けれど笑顔だけは見せない(作り笑いはするくせに)。そんな少女である。

 ごくごく稀だが、クロバの前でだけ、こんなことを口走るときがある。
「私の死神さん、誰の所に行っていたんですか?」
アストリア枢機卿おばあちゃんは、私には優しかったんです」
「神が全知にして全能ならば、私がなのも、神の思し召しなのでしょう」
枢機卿あのひとは万人にとっての悪人だったのでしょう。けれど私にとってだけは違いました。私は自身の祖母のような存在を完全否定するぐらいなら、不正義と誹られても構いません」
「死神さん、いつか私も連れて行ってくれますか?」
(かかるなら、おなじ刃がいい。おなじ場所へいけそうだから)
 それは時に自嘲するように、時に責めるように、時にからかうように。
 口調こそ違えど、見た目どころか、声までそっくりな――

 あの事件の後、天義で様々な調査を行っていたクロバは知っている。
 この少女がのアストリア枢機卿、その修道院時代の人格に酷似していることを。
 出自、性格なども、まるで生き写しであるかのように。

 ともあれクロバは時になだめ、時にたしなめ、数年の成長を見守っていた。
 あまりきつく言わないのは、彼女のそうした言動が、むしろ彼女自身の精神的な安定に役立っていると見られるためである。
 そして――

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