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SS詳細

『誰も悪くなかったのに』

登場人物一覧

ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
願いの星

名前:ヴィクトル・シャフラノフ
種族:人間種
性別:男
年齢:故人であり、正確な享年は伝わっていない
一人称:俺、私、自分
二人称:~様(若い頃のみ)、~君、君、呼び捨て
口調:~です、~ます、~ですか?/~だ、~だろう、~だな?
特徴:誠実、頑固、一本気、理想主義、軍人、宗教家
設定:
 凡そ二百年程前に鉄帝国に組み込まれた従属国ヴァーシリッサの出身。
 ヴィクトルは少年時代から非凡であり、やがて中央の士官学校に推挙されるが、中央に馴染めない彼は挫折と苦悩に酷く苦しんだ。
 そんな彼を救ったのは、当時宰相付きの筆頭行政官であったバイル・バイオンである。
 バイルは不器用ながらに誠実で、鉄帝国らしい骨太の気風を宿すこの若者を殊の外気に入ったのである。
 一時は落伍しかかったヴィクトルは良き理解者となったバイルの存在もあり、頭角を現す事となる。
 順風満帆の運命が暗転したのはヴァーシリッサ『地方』が反旗を翻した事だった。
 折からの不作で食糧の供給限界を超えたヴァーシリッサは弱き者に餓死を強いる状況に追い詰められ、勝ち目の無い挙兵に出たのである。
 ヴァーシリッサ随一の出世株であり、英雄と称されていたヴィクトルは反乱の説得が可能であると力説。
 寛大な処分と食糧難への対応を中枢に働きかけ、宣言通りに速やかな事態の収束に成功するが……
 無血開城後、反乱に連なる者は徹底的かつ無慈悲に処刑され、地方の行政権は全て中央に接収されたのである。
 多くの戦線、不満分子を抱える鉄帝国の中央は甘い措置を許せる状況にはなかったのである。
 中央からすれば『ヴィクトルの言を受け入れ、十分に配慮した』執行であったが、彼はこれを裏切りと捉えた。
 戦後、ヴィクトルは栄光の勲章全てを軍服から毟り取り、悪罵と共にバイルに投げつけ軍を出奔する。
 それでも救済を働きかけたバイルにより、ヴァーシリッサの飢饉の犠牲者は減少したが彼に出来るのもそこまでであった。
 傷付き疲れ果てたヴィクトルは放浪の末、やがて一つの運命に出会う。
 過去の内戦で主要な幹部と信徒を粛清され衰退していた教派『クラースナヤ・ズヴェズダー』の半ば朽ちた教会を立て直した彼は現代で教派における中興の祖と呼ばれている。
 彼は生涯において戦乱や凶作に見舞われた弱者を救い続けたのである。
 恩人であり、親友であった男に心無い言葉を投げつけ、永遠に断絶してしまった苦悩と後悔を抱えながら。

  • 『誰も悪くなかったのに』完了
  • GM名YAMIDEITEI
  • 種別設定委託
  • 納品日2023年01月10日
  • ・ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837
    ※ おまけSS『字数足りなすぎてカットした完全版』付き

おまけSS『字数足りなすぎてカットした完全版』

名前:ヴィクトル・シャフラノフ
種族:人間種
性別:男
年齢:故人であり、正確な享年は伝わっていない
一人称:俺、私、自分
二人称:~様(若い頃のみ)、~君、君、呼び捨て
口調:~です、~ます、~ですか?/~だ、~だろう、~だな?
特徴:誠実、頑固、一本気、理想主義、軍人、宗教家
設定:
 凡そ二百年程前に鉄帝国に組み込まれた従属国ヴァーシリッサの出身。
 ヴィクトルは少年時代から非凡であり、比較的高等な教育を与えられた。世代で特筆すべき優秀な成績を収めた彼は、併合地方出身ながら中央の士官学校へ推薦される。しかしながら、彼は生を受けた時点で彼は鉄帝国の市民であったが、亡国の気風と価値観を強く残す社会の中で育った為、周囲に馴染む事が出来ず、強い挫折を覚える事になる。
 そんな彼を救ったのは、当時宰相付きの筆頭行政官であったバイル・バイオンである。
 バイルは不器用ながらに誠実で、鉄帝国らしい骨太の気風を宿すこの若者を殊の外気に入ったのである。鉄帝国の要職にありながら殆ど武力というものを持ち合わせなかったバイルは宮中、上層部の『例外』であり、同じく変わり者の青年に目をかけたのはそれが理由であったかも知れない。
 一時は落伍しかかったヴィクトルは良き理解者となったバイルの存在もあり、頭角を現す事となる。
 地方出身でありながら中央の価値を認め、将校として必要な多くを吸収し、持ち前の能力を発揮し始めたのである。幾つかの戦争の赫々たる戦果から多くの勲章を得るに到った彼はやがてバイルの懐刀と見做されるようになり、次代の将軍候補とされ、将来を嘱望されるに到る。
 順風満帆の運命が暗転したのはヴァーシリッサ『地方』が反旗を翻した事だった。
 折からの不作で食糧の供給限界を超えたヴァーシリッサは弱き者に餓死を強いる状況に追い詰められ、勝ち目の無い挙兵に出たのである。
 この動きに即応したのがバイルであり、その麾下とされたヴィクトルであった。
 ヴァーシリッサ随一の出世株であり、英雄と称されていたヴィクトルは反乱の説得が可能であると力説。
 寛大な処分と食糧難への対応を中枢に働きかけ、宣言通りに速やかな事態の収束に成功するが……
 結論から言えば中央の約束は守られなかった。
 無血開城後、反乱に連なる者は徹底的かつ無慈悲に処刑され、地方の行政権は全て中央に接収されたのである。
 多くの戦線、不満分子を抱える鉄帝国の中央は甘い措置を許せる状況にはなかったのである。
 中央からすれば『ヴィクトルの言を受け入れ、十分に配慮した』執行であったが、当のヴィクトルはこれを裏切りと捉えた。
 理想主義的であり、腹芸の苦手だった彼は『言葉通りに受け取っていた』のである。
 戦後、ヴィクトルは栄光の勲章全てを軍服から毟り取り、悪罵と共にバイルに投げつけ軍を出奔する。
 それでも救済を働きかけたバイルにより、ヴァーシリッサの飢饉の犠牲者は減少したが彼に出来るのもそこまでであった。
 傷付き疲れ果てたヴィクトルは放浪の末、やがて一つの運命に出会う。
 過去の内戦で主要な幹部と信徒を粛清され衰退していた教派『クラースナヤ・ズヴェズダー』の半ば朽ちた教会を立て直した彼は現代で教派における中興の祖と呼ばれている。
 彼は生涯において戦乱や凶作に見舞われた弱者を救い続けたのである。
 恩人であり、親友であった男に心無い言葉を投げつけ、永遠に断絶してしまった苦悩と後悔を抱えながら。

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