SS詳細
晧月の辺境伯
登場人物一覧
名前:ロズスタン・フォン・エマリー
種族:人間種
性別:男性
年齢:46歳
一人称:私
二人称:貴様
口調:だ、だろ、だろうな
特徴:幻想の片田舎『名ばかり』辺境伯
設定:
目を瞠るような鮮やかな青い瞳を有する『蒼鏡卿』のあだ名を有していた辺境伯家の現当主。
長雨のような放蕩の結果、現在は辺境伯は名ばかりの状態となったエマリー領の領主。
エマリー辺境伯家は男児に中々、恵まれずロズスタンには五人の姉が居る。何れも辺境伯家を『継続』させる為に貴族に嫁いで行った。
末の子で待望の男児であったロズスタンは姉達からも両親からも甘やかされ、飴を煮詰めたような溺愛を受けた。
縹の色の髪と仕立ての良い衣服を着せられたロズスタンは外見こそは『蒼鏡卿』の血筋に連なる者として目を引いた。
甘やかされ育てられた為、非常に傲慢で令嬢達からの評判は良くなかった。
その結果、本来ならば豪商の娘などとの婚姻を結びお家継続を行なうはずが、嫁ぐ娘も居らず独り身の儘である。
ロズスタンの父が死去し、母も其れを追うように亡くなった頃、元エマリー令嬢であったロズスタンの二人目の姉の息子の婚約披露の場で彼は一人の少女を見初めた。
貧乏男爵家の娘であったフェリシテ・フォートリエである。
まだ12歳であったフェリシテを愛妾として無理矢理にでも辺境伯家に迎え入れ溺愛の限りを尽くした。
彼女が欲しがるならばティアラでもドレスでも何でも用意し続けた。甘やかされたフェリシテは其れが当たり前だと認識している。
その内、領地は痩せこけ領民達の腐敗は増すばかり。増税を重ねフェリシテを生かすための奴隷のように領民を扱い続けた。
シラスとアレクシアがその地に訪れたのはフェリシテが18歳になった頃であっただろう。
……今やエミリー領は衰退の一途を辿る。領民達は飢え衰え、思い税率に苦しみエミリー辺境伯邸を焼き討ちした事がある。
ロズスタンはフェリシテを連れて別宅へと逃げ果せた。
美しきフェリシテが居れば彼は其れで良い。
焼き討ちを行なった者は罪に問えた。男は罪人を処し、施政者として君臨し続ける。
まだまだ、ロズスタンによる重圧は続く。あの日、殺さなかった彼等の決意が実を結ぶのは何時の日か――