SS詳細
騎士の落陽
登場人物一覧
名前:雪涙(せな) / セナ・アリアライト
種族:人間種
性別:男性
年齢:27
一人称:俺、私
二人称:お前、貴殿
口調:だ、だろ、だろうな
特徴:天義国出身、聖騎士団所属
設定:
天義貴族アリアライト家跡取り、聖騎士団に所属している青年。
銃の扱いに長けており同僚で後輩でもあるリンツァトルテ・コンフィズリーに前衛を任せ後方からの支援を行う戦法を好む。
諜報にも長けており、天義国が現時点で問題視しているアドラステイアの関連でも捜査に加わっているそうだ。
後輩であるイル・フロッタの事を可愛がっておりリンツァトルテに片恋慕をする彼女を揶揄うのが日々の楽しみ。
本来の名前を雪涙と良い、元々は孤児の一人であったらしい。記憶の混濁が激しく、自身の故郷も家族も断片的な記憶しか有していない。セラという妹がいた……気がする。
天義の孤児院に保護され、孤児達の生活を豊かにするために騎士を志した。その在り方に感銘を受けたアリアライト家が彼を養子として引き取った。
アリアライト家は正義の遂行者として天義でも名をよく聞く家門であった。
出自こそ不幸ではあるが順風満帆である青年はある種、恵まれた道を進んできた筈である。
――だが、彼の中には痼りのように残り続ける。天義を襲った災厄、詰まりは強欲の魔種による政変は彼の信ずる道を大いに傷付けた。
悪人は罰するべきであると信じ正義を遂行し続けてきた彼は、国の指示の通り、騎士として手を汚し奪ってきた。
其れが正しいと教わり、信じてきたからだ。
だが、あの夜を境に『紛い物の正義』であったことを突きつけられた。
アリアライト家の当主はその事を気に病み家督をセナに譲ることと決めた。義妹はアリアライトの名を捨てるために直ぐに嫁いだ。
義父と義母が雲隠れし、アリアライト家を一身に背負うこととなった青年は家門の継続のために明るく振る舞っているが今にも崩れそうな精神を何とか保っているだけである。
彼の変化にリンツァトルテもイルも気付かない。表向きには彼は心優しい騎士であるのだから。
燻り続けるのは傲慢な正義への在り方だった。アリアライト家が懐き続けた正義。その遂行者としての矜持。
そうあるようにと期待した父母の願いも、あの暗き夜に置き去りにされた家門の誇りも。
彼がもしも『傲慢なる何か』に出会った仕舞ったならば、その時は――