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妖精の木馬『エーグル』
登場人物一覧
名前:エーグル
特徴:妖精の木馬、じゃじゃ馬
設定:
エーグルは妖精の木馬である。妖精たちのフシギな魔法で動く木馬で、人間用に作られたがだいぶじゃじゃ馬。
主食は甘いお菓子で、それを与えればエーグルはまあまあ大人しく言う事を聞く。人によってはチョロいと言う。
それは元々廃棄された木馬であった。もう子供は使わないから必要がなく、一度使われたものを人に譲り渡すなどという思考も持ち合わせていなかったから。
妖精が見つけたのも、妖精が拾い上げたのも、全てが偶然であった。
『捨てられるなんてかわいそうだわ。ねえ、物って言うのは人に使われてこそなんでしょう?』
だから魔法をかけた。ひとりでに動くいつもの魔法ともうひとつ――人と出会うための
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エーグルは木馬である。子供が使うような玩具の木馬。
1軒目の家では勝手に場所が変わっていて不気味だと捨てられた。
2軒目の家では子供を乗せたまま勢いよく揺れ出し、泣きだした子供が乗らなくなった。
3件目の家では粗雑な扱いをされたので、わざと子供の方へ倒れてやったら近づかなくなった。
呪いの木馬はよく捨てられた。けれどよく拾われた。
もうどれだけの家を経ただろう。木馬は数えてなどいなかった。数えていても忘れるくらいには捨てられて、拾われた。
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時折捨てられている木馬を拾いたい衝動に駆られる事がある。傷だらけの木馬は不気味な事が起こるけれど、再び捨ててしまえばそれまでだ。
かつて呪いの木馬を持っていた者たちは、それが今どうなっているか知る由もない。
いつしか闇市へと流れ、とあるイレギュラーズが広い、甘いお菓子で容易に釣られて仕事を手伝っているなどと――木馬らしからぬことをしているなど、誰が信じるものか!