PandoraPartyProject

SS詳細

暮れる宵闇

登場人物一覧

リースヒース(p3p009207)
黒のステイルメイト
リースヒースの関係者
→ イラスト

名前:ヴォレニク
種族:アンデッド
性別:?
年齢(或いは外見年齢):28(没年)
一人称:私
二人称:御身、わが主(対リースヒース)
口調:~だ、だな、か?、であろう、……。
特徴:【ネガティブ】【ロマンチスト】【残酷】
設定:

「どうしたのか、旅人よ。しばし羽を休めるが良い」
 共同体『黎明告ぐ鐘の狩人ら』の指導者。物腰は穏やかに思える。
 寡婦や子供を失った親、敗残兵、みなしごなどが寄り集まって、穏やかに自給自足の生活を送る理想郷……。
……というのは表向きの話で、実際は親しきものを失った悲しみを背負った者たちをおびき寄せてはアンデッドにし、自身の兵力に加えている。

「さあ、わが主よ、号令を。地の下のものは、すべてが御身のもの――」
 ヴォレニクは幻想に名を遺す、『煤闇衣の狩人』の影だった男である。
 かつて、『煤闇衣の狩人』に心酔し、村々を襲ってはアンデッド兵を増やしていた。
 ところが、唯一の例外が起きた。
 主に「手を出すな」と言われた村があったのだ。
 ある日、ヴォレニクがそこを覗いてみると――死んだ赤子を抱いた女が泣いていた。
 リースヒースの恩人ならば、じぶんにとってもそうである。
 主を気の毒に思ったヴォレニクは死体を持ち去ってやり、切り刻んでアンデッド兵にした。
 起き上がった子は見事に一泣きすると、ヴォレニクを貫いて亡くなった。
 ヴォレニクは己の未熟さ――つまり死霊術師としての腕前を悔やみ、自主的に墓を掘ると眠りにつくことにした。

 ヴォレニクにとって大切なのは、『頭の中の』煤闇衣の狩人、リースヒースのみである。
 途方もない時間の後、……頭の中の主は、ついに「許す」と言った。

 かつての栄光を取り戻し、生きとし生けるものすべてをアンデッドとするのが使命である。
 かつての『煤闇衣の狩人』の関わり合いのある「縁者」を探してはアンデッドにし、死者の軍団に加えている。
 すべては「主」のために……。

 男であってはならぬ、女であってはならぬ。
 彼になるため、彼を近くに感じるために「不完全」な部分は切り取った。
 ゆえに性別はない。

おまけSS『影を置いていく』

「あの集落だけは襲うな、と?」
 なんでも、追っ手に追われて逃げ込んだリースヒースの正体を知らず、手当てしてくれた女がいるのだという。
「例外」……ほんのちょっとの例外……。今まで思い込んでいた主の姿とは違った。
「ふむ……」
 好奇心にかまけて覗きにいったことがある。
 あの女の子が誰の子であるのか、そのようなことはどうでもいい。主が敬意を払うのならば、自分もそれにならうだけだ。

 かの人の言葉が想像できなくなったのは、いつからだろう。
 目を閉じても、考えることがわからなくなったのは、いつからだろう。
 かつては、縫い合わされたマントの表と裏のように、影はひとつであったのに。
「どう出る? リースヒース。我が君よ。ここでの枝はずいぶんと伸びきったようだが」
 問いかけに、リースヒースは穏やかに笑った。やはり考えていることがわからない。激しい雷鳴が言葉を打ち消した。
 虐げられた境遇から拾いあげられてから、ヴォレニクはかの人の影であった。
『煤闇衣の狩人』。すべての夜と、土の下の者たちの支配者。いつしか、世界はかの人の手の上に。そうだと信じて疑わなかった。リースヒースが逆さ十字を持ち上げると、あざ笑うように雷鳴が空をつんざいて教会を燃やした。
 リースヒースの表情が少しばかり想像と違う色を帯びていることに、ヴォレニクは気がついていなかったのだ。
 ただ、前だけを向いていたから。
 変わったのはヴォレニクの中のリースヒースではない。リースヒースだ。リースヒースは移ろう季節のように変わっていった。美しきグリムアザースは、地べたを這いずる人間を置いて、物語の中で生き続けている。

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