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救済の定義を問う
登場人物一覧
- 板谷 辰太郎の関係者
→ イラスト
救済とは、苦しむ人を救い助けること。
あるいは、神や仏の側からさしのべられる救いのことを指す。
しかし、時にその言葉には様々な意味が絡むことがある。
ある人は死は救いだと称したり、ある人は救いとは何もない事を指したり。
ある人は心を一新させるものだと伝えたり、ある人は人生を変えることだと言ったり。
人は『救済』の言葉に意味をいくつも重ねたりするもの。
だからこそ、それは再現性東京に現れたのだろう。
これはその言葉の意味を、そしてその定義を再確認する物語。
●縁は再び
「夜妖『救済』の討伐……ね」
ギルド・ローレットの掲示板に貼られた依頼の内容をしげしげと眺める辰太郎。
彼が眺めている依頼は再現性東京にて現れた夜妖『救済』の討伐を目的とし、報奨金としてかなりの額のゴールドが支払われるもの。それなりの実力を持つ者や、金が欲しくて仕方がない者であれば、手を出したくなるような依頼だ。
だが依頼書にも書かれているのが、夜妖『救済』の情報についてはローレットでもわかっていることがとても少ない。
現時点で分かっていることといえば、気づいたら入り込んでいた暗闇の中で救済について唐突に問いかけられ、答えを返さなかったり彼が望まない答えを返すと殺されてしまうという点のみ。
ただそれだけなのだが、最近になって一般人が巻き込まれては殺される回数が多くなってきたことから討伐対象となったようだ。
(殺されない答えを返した誰かがこの情報を持ち帰って、ローレットに持ってきたって形だろうな)
(うーん、情報が少ないが、大金。大金だもんな。倒せば大金。うーむ……)
多額の金は今後の事を考えても考えなくても、いずれは必要になってくる。多少の無理や無茶を通し、ここで大金獲得に向かうのも悪くはないだろうというのが辰太郎の考え。
依頼の紙を持ち、カウンターへと座ってギルド員に話を聞きに行った辰太郎。紙を受け取ったギルド員は依頼内容を細かに確認して、辰太郎の飄々とした表情を見る。
「ってわけでこの依頼、受けたいんだけどいいかな?」
「構いませんよ。……あ、ただ、討伐までが目的なので情報の持ち帰り等では達成されません」
「ん、そこは重々承知済みだ。討伐の証って何か必要?」
「そうですね……。それだとわかる物が落ちれば、持ち帰りをお願いします」
「はいはい、承知しましたっと」
承諾書やらなにやらにサインを入れて、ギルド・ローレットから正式手続きを受けた辰太郎。
この時点で必要そうな情報は事前にローレットで全て記憶にぶち込んで、必要そうな道具類は現地調達を行うことにした。
そうして再現性東京の現場へと到着した彼は、少し辺りで情報収集を行う。
夜妖『救済』の情報、活動時間などを割り出せれば良い方で、詳細な情報が貰えれば僥倖。
特に被害にあったけれど殺されずに帰ってくることが出来た人がいれば、より詳細を聞けるだろうと判断しての情報収集だった。
そんな中、彼は見覚えのある姿と対面する。
彼女もまた同じように周囲を探索していたようで、辰太郎の姿を見つけると顔を上げた。
「おっとぉ……」
「おや」
深くフードを被り、顔の半分を仮面で隠している――辰太郎とは元の世界での縁が長く続いている少女、神前 藤麻。
彼女とは元の世界での些細な出来事がきっかけで出会っては別れを繰り返し、幾度の異世界渡航の先々でも出会っているのだが……まさか、こんなときにまでその縁が発揮するとは思ってもいなかったとは辰太郎の言葉。
いったいどこまで自分達の縁が続くのかを見届けたくも思ったが、今は眼前の仕事を終わらせなければと頭を切り替え、歩みを進めて再び情報収集に戻ろうとする。
「……いや、ちょっと待てよ……?」
ふと、辰太郎は何かに気づいて足を止める。
……彼女がここにいるということは、もしかして、もしかするのか、と。
もう一度藤麻の顔を見るが、仮面とフードに隠されたその表情は読み取ることが出来ない。
普段から表情を見せず、淡々と仕事をこなす彼女らしい表情と動きがそこに存在している。
だがそんな少女が辺りを見渡しながら再現性東京内を歩き回る理由なんて1つしか無い。
夜妖『救済』は危険視されている存在だ。ローレット以外の何処かが倒してもらいたがるか、あるいはその情報を集めてなにかに利用する等を行う可能性だって高い。
ましてや藤麻はローレットには所属していない、各地で暗躍する旅人。ローレットとはまた違うところで依頼を受け、この場所に来ている可能性だってある。
もし同じ対象の討伐依頼だったら、その時はどう動いたほうがいいのか。
もういっその事彼女に「討伐対象って夜妖『救済』?」ぐらい聞いたほうがいいんじゃないのか。
そう考えている辰太郎は悩み悩んでいた。
(……これは、聞いてみたほうが早いな……?)
それとなく話を聞いてみようと藤麻へと近づいた辰太郎。
他愛もない話から始めてから情報を引き出そうと、一歩足を前へと進めた瞬間にそれは起きた。
周辺の空気が変わる。濁った沼のようにどろどろとした悪意という名前の空気が辰太郎と藤麻を包み込み、彼らを逃すことを許さない檻へと変貌させる。
この場を離れるほうが良いかどうか、それを判断する前に2人の意識は一瞬のうちに闇の中へと引きずり込まれ、暗転していった。
●答えた先にあるもの
目の前に映し出される、光の届かない深い海の底のように真っ黒な世界だった。
「……こんなタイミングでやってくるとは、暇なのかねぇ?」
「さあ。でも、私達を獲物だと判断して捕まえに来たのは間違いないと思いますよ」
「ま、そうだろうね。あの場所に近づくなんてのは、よっぽどの物好きか俺たちみたいに依頼を受けた人間ぐらいだろうよ」
大きくため息を付いた辰太郎と、冷静に辺りを見渡して現状を確認する藤麻。その行動に差はあれど、その身に起きたことはお互い共通している。
現在2人は他者を視認できる暗闇の中へと引きずり込まれている。周りが闇の中だからといって辰太郎と藤麻の姿が見えなくなることはなく、しかし周囲の景色だけは紺青の闇が包み込んでいた。
こんな光景が見えたとしても、2人は動じることはない。むしろ、向こうからやってきてくれたことに感謝の言葉を述べたいほど。
しかし周囲を見渡しても辰太郎と藤麻以外の2人の姿は無かった。どんなに目を凝らしても夜妖『救済』の姿は見当たらないし、それらしき姿は見えない。ただただ闇だけが辺り一面に広がっているだけ。
「……何処から来るんでしょうね」
「さてね。夜妖『救済』の情報があまりにもなさすぎて、手探りで情報を探すしか無さそうだ」
「と言ってもですね……」
ふう、とため息を付いた藤麻はこんな何もない闇の中からどうやって情報を探すんだ、と苦い顔を見せる。
これまで数多の仕事を経由してはそつなくこなして来た藤麻。僅かな手がかりの中でも確実に、的確に目標を捉えては殺し、その印を持って依頼達成としてきたが……今回は本当に難しいとさえ感じていた。
一方で辰太郎は本当にどうしたものかと表情が固いままで悩んでいた。
姿もない、音もない、一切の痕跡のない相手。そんな相手の情報は仕事を受ける前に手に入れた一握りの情報だけで、あとは現地調達という放任主義の依頼。金を積まれているとは言え、無理難題をふっかけられたもんだと頭を抱えていた。
「うーん、こういうところに連れてこられたんだからなにかアクションが来てくれないと困るね」
「普通に歩き進んで、目標を探せばいいじゃないですか」
「いや、まあそれはそうなんだけどさ。こういうのって大体、連れて来た側がアクションを起こすようなもので……」
そこまで言葉を繋げたところで、ぴたりと辰太郎の言葉が止まる。何事かと藤麻が辰太郎に目を向けてみれば、彼の視線は別のなにかに向けられていた。
藤麻も同じくして、辰太郎の見ているモノについて視線を向ければ……そこにあるのは赤黒く濁った闇を布で包んだ、死神のような姿の何か。ふわふわと空に浮かんでいるなにかの手には本と羽ペンを携えており、メモのためにそれがあるのだとわかれば、このなにかの正体は自ずと掴めていた。
討伐対象の夜妖『救済』。それが今、目の前にいるのだと。
「……いましたね。話通りなら、このあと……」
「ああ。まあ、普通に答えればいいんだろう?」
赤黒く濁った闇が、フードの奥底から辰太郎と藤麻の目を『見る』。
そこに視線はないのだが、何故だか2人は見られているという感覚を拭うことが出来なかった。
そうして様子をうかがうために固まっている2人の耳に対し、夜妖『救済』らしき存在から質問が届く。
この世の誰でもない、深淵の奥底からの声によって。
――救いとは、何か?
――何を以て、救いと定義するのか?
たった2つの質問だが、2人は目の前の存在が夜妖『救済』だと断定出来た。
今ここで戦闘を仕掛けても良いが、まあ、たまにはこういう問答をやってみるのも悪くはないだろうと、それぞれが答えを思案していく。
僅か、短い間にすぅ、と息を吸って……最初に答えたのは、神前藤麻だった。
「……多くの者があって欲しいと願いながら、現実には一切存在しない幻想。どこの世界でも、誰一人として救われてなどいません」
しっかりと、夜妖『救済』の赤黒い闇に向けて言い放つ藤麻の目は……そんなものは信じないと拒絶を見せるような視線だった。
過去にクラスメートと呼ぶにも悍ましい人間達からあらゆる悪虐を受けた彼女にとっては『救い』は無かった。助けを必要とすることなく、ただ孤独を貫いて、ただ独りで闘い続けた。
そんな人生を変えたのが今現在、隣にいる男――辰太郎なのだが、彼女にとっては彼の登場でさえも『救い』だとは思っていない。
「『救われた』などと感じているのは、ただの思い込みか騙されているか、そのどちらかです。……当然、『誰かを救える』などという、思い上がりの考え方もね」
ちらりと藤麻の視線が辰太郎へ移る。その視線を受けた辰太郎は少々視線をそらして頭をポリポリとかいて、「別に救ったとかは考えてないんだけどなぁ」と小さく独り言。
その言葉を聞いたか聞かなかったか、藤麻は最終的な『救い』の定義を夜妖『救済』へと叩きつけた。
「生も死も、繁栄も滅亡も、ただの結果。断じて救いなどというものではありませんよ。……これでよろしいですか?」
『…………』
本に何かを書き記しながらも、YesともNoとも答えない夜妖『救済』。
そのうちその赤黒い闇の視線は辰太郎へと移り、彼にも質問に答えろと命じるかのようにペン先を向ける。
やっぱり俺も答えなきゃダメかと大きくため息を付いた辰太郎。少しだけ目を閉じて、質問を思い返してから彼は答えた。
「俺には存在しないもの。そして、俺以外にとっては『人それぞれ』ってとこだね。何がそいつにとっての救いになるかなんて他人にわかるわけが無いんだ」
自分自身には『救い』なんて存在しない。他者にとっては人それぞれ。それを断言した辰太郎の答えに、夜妖『救済』はまたもメモを取る。
『救い』の定義は人それぞれで、こうして答えを集めたところで完璧な『救い』など何処にもないのだと示すような力強い言葉は夜妖『救済』にとっては不可思議で、珍妙で、メモを取らなければと判断した様子。
だが辰太郎の答えはそれだけではなかった。ただし、と付け加えた上でまた彼は自分の持つ『救い』の定義を述べていく。
「最も愚かなのは、自分にとっての救いが他人にとっても救いになると決めつけ、押し付けること。……それこそが、誰も救わないし救われない」
辰太郎の視線が藤麻へと移り、また夜妖『救済』へと戻る。
彼は、藤麻の身に起きた事件のことは聞いている。
どうにも彼女へ悪行を行った者達が『他者の救い』等という考えを持っているとは思えないが、もしかしたらそうだったのかもしれないと思うと……。
そこまで考えて、眉間にシワを寄せた辰太郎。それが本当なのだとしたら、じゃあ、藤麻は救われない存在だったのか? という考えにまで及んでしまったために一旦この考えを捨て、考えを切り替えるために大きく息を吐いてから、答えの最後を伝えた。
「寧ろ救えたかもしれない相手を救えない状態に追い込んでしまう……最悪の行動だと俺は思うね」
肩を竦め、そんな行動を取るやつがいるんだよな、と嘲笑うようにため息をついた辰太郎。
これまでの経験上、決めつけによって起こった出来事で良い結末になったことは殆ど無いと知らしめる様子は夜妖『救済』の持つ手帳にもしっかりと書き込まれたようだ。
答えは2つ、出揃った。夜妖『救済』は無言のままに、サラサラとペンを走らせる。
2人の答えが出揃ったため、書き込んでおいたメモを読んで何かを思案する様子の夜妖『救済』なのだが、突如として動きが少しゆるくなってきた。
赤黒い闇の視線がふわふわとどこかを向いて、くるくると手っぽい何かがペンを回して、何度か首を傾げる様子や額に近い部分をペンでトントンと叩いたり……。
どうやら2人の答えの内容に対し、思い悩んでいるようにも見える動きを見せているようだった。
「……悩んでいるんでしょうか、アレは」
「さあ、どうだろうね。見た感じ、俺らの答えを読み返してはいるようだけど」
「満足させられれば普通に帰り、満足できなければこちらに襲いかかると聞いてますが……あの様子だと、暫く掛かるような気がします」
「だよなあ。まあ、もうちょっと待ってみるか」
思い悩んでいる様子の夜妖『救済』の動きをのんびりと眺めながらも、辰太郎と藤麻は夜妖『救済』の回答を待つ。自分達の答えが、夜妖『救済』の求める答えとして受け入れてもらえるのか否か、ただそれだけが気がかりだから。
そうして、思い悩む様子をいくつか見届けた後、夜妖『救済』はパタンと本を閉じる様子を見せ、そのまま姿を消してしまう。
満足したのか、それともこの答えに対して否定ができないと判断したのか。どちらにせよ討伐には至らなかったが、存在の確認と実際の事象についての情報を得ることとなった。
「なるほど。答えによっては悩むこともあり、時間はかかっても必ず答えの内容に対して満足するかどうかを出してくれるんですね」
藤麻は夜妖『救済』の情報をまとめ上げると、報告用のメモを取る。討伐に至れなかったのは残念だが、ここで諦めることはしていない様子。
今回の調査は次回に討伐するための準備段階。そう思えば、今回の仕事にもちゃんと意味はあったのだと意識を切り替えていた。
「あ、あー……俺の方は依頼失敗だな、こりゃ……」
一方で辰太郎は思い返す。今回彼が受けた依頼は討伐までがワンセットの依頼で、情報の持ち帰り等では一切達成されることはない。
なので大金はまた別の機会になるのか、と大きく息を吐いて……ちらりと藤麻を見やる。
「……なんですか?」
「ん、いや。そちらさんは望むものが手に入ったんじゃないの、と」
「どうでしょうね。……私は、別に……」
そこから先の言葉は藤麻の口から出てくることはない。
蔑むわけでも、嘲笑うわけでもない淡々とした視線が辰太郎に突き刺さる。
その後、視線を周囲の闇の中へと移した藤麻。そんな彼女に対して辰太郎は自分を嘲笑うように、彼女へ告げる。
「でも、これで良かったんだろう? 俺は赤っ恥で、キミは悪者……悪者っぽい扱い。これがキミの最も望む結末だろう?」
へらりと笑った辰太郎。藤麻を有利に傾かせることで自分との敵対を避ける意味でも、彼は自主的に自分が弱かったのだと笑っている。
そんな彼に対して冷ややかな目線を向けた藤麻は、その問いかけに対して「いいえ」の答えを返す。
「望んでいたわけではありませんよ。ただ……」
「ただ?」
「……私が関わった案件で誰かが得をする結末になるのが気に入らないだけです」
「へえ、誰も得しない結末……ねぇ」
藤麻のとても不思議な考え方で、だけど、妙に惹かれる一言。辰太郎はそれを「嫌いじゃない」と評する。
しかしその考え方は他の人にとっては窮屈で、下手をすれば糾弾されてしまう考え方。そんな考え方に乗ってくれる人はごく僅かだろうと辰太郎は苦言を呈した。
しかし藤麻の意思は固い。それで気に入らない結末でも満足するフリを続けるぐらいならば、今の考えを貫くほうがマシだと。
「誰かに配慮して自分を曲げ、それで気に入られたとしても……それは『相手にとって都合のいい人間』が気に入られただけ。寧ろ、本当の自分を気に入られる可能性は永遠に閉ざされてしまいますから」
例え自分だけがこの考え方を持っていて、多数の他者から糾弾されようが考え方は変わらないし、変えることはない。
そんな決意が、藤麻の目に強い力を与える。
「いやぁ、相変わらずズバズバ言うし、決意も硬いよねぇ。キミのそういうとこ、俺は嫌いじゃないよ」
彼女の強い決意に対して、元の世界から永久に変わらないようで何よりだと軽く笑った辰太郎。
少しでも変わっていたらどうしようかと思ってもいたが、全て杞憂だった。
これならしばらくは藤麻が彼に敵対する様子も無さそうで、ひとまずは安心できるだろうなという安堵感が彼の脳裏を掠める。
願うことなら、敵対することはなくこのままの関係性で居続けるほうが、個人的にも非常に助かるのだと考えていた。
「さて、じゃあ外に出ようかね。夜妖『救済』の問答が終わったら、なんか出口が出来るみたいな話があったけど」
「そうですね。……どこにあるんでしょうね」
2人揃って周辺を見渡していると、唐突に2人の目の前が真っ白な光に包まれて視界が閉ざされる。
闇の中からあふれる光に思わず2人は目を閉ざし――。
●縁は続くだろう、どこまでも
「……おっと?」
気づけば、元の再現性東京へと戻ってきていた2人。
時間はそこまで経っていないのか、入ったときと変わらぬ空が辰太郎と藤麻を見下ろしていた。
特に戦闘は起こっていないため、無傷のままに帰ってきたが……そのまま2人は言葉を交わすことなく、夜妖『救済』の依頼を持ち込んだ依頼主の下へと帰っていった。
(ま、ここで言葉を交わさなくても、また何処かで会うことになるんだろうし)
どうせなら、ここで何も言わずに去る方がいいだろう。そう考えた辰太郎はもと来た道を歩きながらもローレットまで向かっていた。
帰り道、討伐するまでが成功扱いの依頼が失敗になってしまうためどんな言い訳を伝えようかと悩んだ辰太郎。
見たままをはっきりと伝えればいいか、と悩む様子をすぐさま捨てて、さっさと帰路へとついていく。
なおこの後、辰太郎の目撃情報の信憑性が高かった故か否か。
夜妖『救済』の討伐は
- 救済の定義を問う完了
- NM名御影イズミ
- 種別SS
- 納品日2022年07月19日
- ・板谷 辰太郎(p3p010606)
・板谷 辰太郎の関係者
※ おまけSS『討伐対象情報の設定』付き
おまけSS『討伐対象情報の設定』
名称
夜妖『救済』
容姿
死神のようなローブ+中身は赤黒い闇。
ローブの中に手を突っ込んでも何もない。
持ち物
メモ用の本とペン
着替えのローブ
『救い』とはなにか。
何を以て『救い』と定義するかを問いかけてくる。
これまでにいろんな答えを聞いてきたが、癪に障るような答えを出してきた人物は全部吸い込んで骨を折ったりして、ちょっと折檻してきた。
今回の2人の答えに悩んだ理由が『人それぞれの答え』と『幻想と断定する答え』はこれまでに聞いたことがなかったから。
特に『幻想だ』と告げられた答えに対しては、『じゃあ救い以外のナニカも幻想なのでは?』という考えが頭を通り過ぎたらしく、だいぶ悩んでいた。
しかし自分の立ち位置を思い返せば、確かに幻想だと言われても仕方ないのか、と気づき満足した様子。
ちなみに『人それぞれ』という答えは聞いたことはないけれど、じゃあ隣にいる人の答えも人それぞれだからなんだな! と満足していた。
板谷 辰太郎、神前 藤麻のどちらかが欠けた状態で答えていたらおそらく襲いかかってきただろう。