神前藤麻について
かつての彼女は『幸せを求めること』を禁忌とし、その一環として後頭部の醜い火傷痕を『背負い続けなければいけない汚点』だと語り、治療することを拒んだ上で人目に晒さないように隠し続けていた。
しかし、今の彼女は背負い続けると言っていたその汚点を消し、過去の自分を愚かと嘲り、自らの幸せを求めて歩みだしてしまっている。

板谷の知る限り、それが彼女自身の意思とは考えにくい。
なので何者かによる洗脳か精神汚染の可能性が高いと考え、独自にその元凶について調査中。
また、機会を見つけて彼女を殺害する覚悟も決めている。
彼女の性格なら、仮に元に戻ったとしても現在の醜態を恥じて間違いなく死を望むだろうから……。