夜空の水着

登場人物一覧

「わざわざ私を呼び出す必要があったんでしょうか、葛城先生」
「なぁに、可愛い教え子の様子を見に来てやったというのに、連れないじゃないか？」
　暁月と春泥は希望ヶ浜の百貨店で『水着』を眺めていた。
　先日の戦いのあと、傷も癒えぬうちに暁月は春泥から電話で呼び出されたのだ。

　二人とも敢えて、あの戦いの事は口にしない。
　言いたい事や聞きたい事は山ほどあるけれど、それは今ではないと話題に出さずにいた。
　時が来れば、自ずと分かるのだから焦る必要は無いとも。
「これなんかはどうですか？　先生は黒髪ですし、いつもパンダフードを被っているでしょう。たまにはこうしたデザインも良いのではないですか？」
　暁月が春泥に持って来るのは、ビキニタイプの水着だ。
　夜空を思わせる紺を基調に流星のように煌めく粒子が散りばめられている。
　トップスは紐を胸元で交差させているクロスホルタービキニだ。

「成程ね。中々良いじゃ無いか……上着は無いのかね？」
「まあ、いつものパンダフードを被っても良いんじゃないですかね。あと、日焼け止めは塗った方がいいですよ。先生は肌が白いので真っ赤になって痛くなりますから」
「おや、塗ってくれるのかい？」
　春泥の揶揄うような言葉に、暁月は物凄く嫌そうな顔をして「遠慮しておきます」と唱えた。

おまけSS『クロスホルター』

水着：ビキニタイプの水着。トップスはクロスホルタービキニ。
色：夜空を思わせる紺色。流星を散りばめたようなデザイン。