SS詳細
PC分析表(ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン) 胡狼蛙ver
登場人物一覧
・印象
ヨゾラという青年(人格)は元の世界で依代の代用品として器に入れられた仮初の生命。混沌に喚ばれた事によって、失う筈だった物が残った物。
混沌の世界へ降り立つまでは己の名前さえも無かった。しかしそれをヨゾラ自身は変だとは思っても違和は無かったのだろう。元より魂と身体の一体が曖昧な世界、代用される物として生まれてきたのだから。
そうなれば当人の死生への価値観も偏りやすくなるのは不思議ではない。
生命を付け替えられる安い物と見るか、一つの"個"がこの世から消えてしまう事への忌避感。彼の場合は後者に当て嵌るかと思う。
イレギュラーからこの世界に飛ばされたのがウォーカー、元の世界に帰りたいと思う者も多い中で、ヨゾラは未練無く此方へ残る事を決めるだろう。
帰ったとして、延びた生命が消えてしまうだけなのだから。それを受け入れるには余りにも混沌に生きた証を残しすぎてしまった。
己の好奇心も此処で理解した。
己の願望も此処だから叶えられる。
自身の願いを叶える為に歩き続ける姿は最早ただの"代用物"には収まらず、分かりやすく"魔道士"として他の者の目にも映るのだろう。
・長所と分析
魔術紋が本体という一風変わった設定。
本体が〇〇というのは割とポピュラーな方だとは思うのだが、その中で紋章そのものが魂と同義の役割を果たしているのは中々見ないと思う。
外部も含め、温和で人当たりも良い方。だからこそその設定を眺めていると、ヨゾラさんと魔術紋の関係性は重く、アンバランスな様に思える。
元来、魂の重さとは肉体があってこその要素だと思っている。肉体を喪い、未練や執着があるから幽霊や怨霊というものが在ると。
しかしその前提価値観自体がすっぽりと落ちているヨゾラくんは本来危うい存在なのかなとも思いました。
そこをPLさんが動かし、今の形に収めて動かせているのはとても上手い人という印象を感じます。
・プレイスタイル
緩やかマイペーススタイル。ヨゾラくんと一緒。
周囲に流されずにやりたいことをやって遊ぶ方に見受けられました。だからといって我を貫くという訳でもなく、外部では他の人が楽しそうにしている所を一緒に楽しむ様子も見えて優しい人だと思いました。
故に、誰かにお願いする、自分から行く! という場面が少なめなのかなとも。
安心して受け身だ話しかけられる人。
・その他雑記
如何でしたでしょうか。
あくまで私の主観によるものですのでそこはご了承くださいませ。
ステータス場面に設定してあるボイスの「ねこー!」が可愛すぎて性別欄を確認してしまいました。男性で合ってた。
次にボイス一覧を覗いたら8割猫に関してのボイスでかわいい男子か??? ともなりました。
真面目な所も良いですが、個人的にヨゾラ君には猫可愛がりしている様子をイラストでもボイスでも沢山見てみたいなぁと思いつつ、ここで筆を置かせて頂きます。ありがとうございました。
・おまけ『にゃーにゃーにゃー!』
にゃー。
ヨゾラが屈んで撫でると、くすぐったそうに身を任せている猫。逃げる訳でもなく、人懐こい性格をしているようだ。
「これは……」
咥えている紙束を受け取れと言わんばかりに突き出してくるので手に取ってみれば。
「分析表……? これからローレットに取りに行こうかと思ってた所だけど」
その場に座り、じっと此方を眺めている猫を撫で回したい欲求もあるが、今は書類の確認を優先するべきかと一枚捲ってみる。
「アンバランス……か」
自身ではよく分からない。それはそうだろう。それが普通、普遍、常識であったのだから。
「思えばこの名前もここに来てからだったんだな」
ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン。
夜空に憧れる紋章の物語。思えば焼き付いたと言えるほどの記憶はあれが初めてだったかもしれない。
「もう結構経つんだなぁ」
しみじみと思い出に耽るヨゾラ。これからもマイペースであるけれど、願望器に至る道を歩めたらいいなと思う。
だが今はとりあえず……。
「も、もう我慢できない……! ねこー!」
この利発そうな猫ちゃんを可愛がる事が第一優先であろう。