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青き微笑み
登場人物一覧
- 恋屍・愛無の関係者
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名前:エルヴィーラ・リンドブロム
種族:人間種
性別:女性
外見年齢:二十代前半(実年齢は不明)
一人称:妾
二人称:貴様、お主、貴方、呼び捨て
口調:よ、だ、だろう、だな。
特徴:青銀の髪にアメジストの瞳を持つノルダインの青の魔女。
設定:
鉄帝国ヴィーザル地方のノルダインの村『サヴィルウス』に棲まうドルイドの女性。
血気盛んなノルダインの村において、冷静かつ鋭い戦略眼で戦場を優位に導く役目を担う。
されど、彼女が尊重されるようになったのは村長の息子『ベルノ』の働きかけのお陰だった。
エルヴィーラは近寄りがたい存在として疎まれていたからだ。
直接的な攻撃を受けなかったのは、彼女がドルイドで薬学や星読みの力に秀でていたから。
重宝をされつつも、馴れ合いはしてこなかった。
それを打ち破ってきたのは、幼いベルノの好奇心。
怖い物見たさ、肝試しのような意味合いもあったのだろう。
村では怖がられるような存在であるエルヴィーラは、度胸試しに最適だったのだ。
「なんだ? 小さいのが居るではないか。此処に近づいてはならぬと教わらなかったか?」
「お前なんか怖くないやい!」
震える木刀を構えながらそれでも果敢に家に押し入ったベルノにエルヴィーラは吹きだした。
「そんなに震えているのに? まあ、良い。暇をしていたのだ。ほれ、暖かいミルクティでも飲んでいけ」
「え……」
「どうした? 怖くないのだろう? ならば茶ぐらい飲めるよなぁ?」
挑発するように微笑むエルヴィーラに幼いベルノは顔を真っ赤にしてカップを掴む。
「飲めるし!」
「ははっ……強い強い」
エルヴィーラはこのベルノの強き眼差しに、いずれこの村を率いる男になるのだろうと目を細めた。
だから、多少の悪巧みにも手を貸した。
か弱い『小鳥』からすれば、さぞ怖かったに違いない。
されどそれも自然の摂理。この世は強き者が勝者であるのだ。
何人とも違えぬ真理である。
「さあ、往くぞベルノ。次は何を見せてくれるんだ?」
ノルダインの青の魔女は氷のような笑みで微笑んだ――