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母なる夜妖

登場人物一覧

恋屍・愛無(p3p007296)
終焉の獣
恋屍・愛無の関係者
→ イラスト

名前:湖潤・仁巳(こうるい・ひとみ)
種族:ウォーカー(夜妖憑き)
性別:女
年齢:16歳
一人称:私
二人称:~さん、~君、~ちゃん、呼び捨て
口調:~よ、わ、なの?
特徴:銀の瞳、銀髪。身長もすらりと高い。
設定:白蛇の夜妖憑き。勝ち気な性格で正義感が強い。
 祓い屋燈堂一門の門下生の中でも、才能に溢れ頭角を現している。

 基本的に取り回しのしやすい刀剣で戦う事が多いが、その身に宿す夜妖の力を使う事もある。
 仁巳に宿るのは『白蛇』である。
 力の行使は未だ不確定要素が多いため、濫りに使う事はしないという約束をした。
 白蛇の力を使う為に主従するのは、燈堂の護蛇白銀である。
 彼は血気盛んな仁巳に対して、冷静に力の使い方を教えているのだ。

 その甲斐あってか最近、ようやく白蛇と意思の疎通が出来るようになった。
 仁巳の気性の激しさと白蛇の傲慢さの折り合いが付いたということだろう。
 白蛇の名は『吹雪』という。
 悲しさとひもじさ。かつて仁巳が抱いた寂しい思い。
 それを覆う様に暖めていた母なる夜妖だ。
 自身の名が冷たさを表すものだとしても、小さな命は守りたいと願ったのだろう。
 吹雪が仁巳に取り憑くこと、それは、ある意味では傲慢であった。
 けれど、少女の命を繋いだことは確かなのだ。

 仁巳が暁月への思慕を『正しく』自覚したからこそ。
 吹雪は仁巳がもう『ただ守られるべき子供』では無くなったのだと悟った。
 きっと、今の仁巳であれば自分との在り方も間違わないのだろうと。
 もし、吹雪への依存が著しいのであれば、離れるつもりでいたのだ。
 けれど、これからは対等で居られる。だから、意思の疎通が出来る様になった。

 ――ウェディングドレスを纏ったその日。
「あら、似合うじゃ無いの」
 初めて吹雪が言葉を発した。
 仁巳は驚きと嬉しさと、溢れ出す感情で。
「もちろんでしょ、『あんたの子』なんだから……やっと、話せた」
 大粒の涙を零したのだ。

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