PandoraPartyProject

SS詳細

最後の一線足り得る者

登場人物一覧

チック・シュテル(p3p000932)
赤翡翠
チック・シュテルの関係者
→ イラスト

名前:エウリュス゠ラングフォード

種族:スカイウェザー

性別:男性

外見年齢:20代後半

一人称:俺

二人称:呼び捨て、アンタ/(不機嫌時・敵相手)お前、てめぇ

口調:~だ、~だね、~だろう、~だよね?

特徴:青混じりの黒髪、金色の瞳、引き締まった体系、粗野、世話焼き

設定:
 チックが嘗て属した一族『渡り鳥』の一人。魔術媒体は両手の甲に彫り込まれた橙の刻印。
 戦闘スタイルは近接格闘。自己付与と攻撃魔術を織り交ぜた戦いを得手とする。
『渡り鳥』は嘗て人間種たちに襲われ、その多くを喪ったことから人間種たちに対しての対応が『肯定派』『中立派』『否定派』に別たれることとなったが、彼はその中でも人間種たちにとって最も苛烈な対応を見せる『否定派』……と言うことになっている。
 こう語るのは、彼の人間種に対する憎悪が他の面々と比較して根深い理由を抱えるものではなく、また生来の世話焼き気質から困っている人を見捨てておけない性格ゆえだ。それが稀に人間種に対しても向けられる程度には。
 ともすれば他の派閥に傾倒しかねない危うさは見えるが、逆を言えばそれは派閥内に於いて感情に瞳を曇らせることなく、最もフラットな視点を以て行動することが出来ると言う事でもある。
 そのメリットに目を付けた『否定派』の長……フィン・シルヴェスタは、このブッポウソウの少年を自らの補佐に置いている。

 彼個人の性格に目を向けると、あまり良い印象は抱けない。
 容姿そのものは美しく人の目を惹くが、反して悪態を吐きがちで足癖も悪い。『渡り鳥』の一部では、同じ派閥の者であってもエウリュスに悪感情を抱く者すら居るほどだ。
 が、そうでない者はその内心……上述した「元々の人の好さ」を隠すため、彼が普段から無遠慮な態度を取っていることを知っている。
 ――そして、それは同時に彼が『否定派』に身を置く理由そのものであることも。
 同族こそ多く喪ったが、奪われた縁深い人は居らず、また何か大切なものを失うことも無かったエウリュスが本来、人間種たちを憎悪する『否定派』に居る理由は存在しない。
 それでも彼がその派閥を選んだのは、フィンが彼を補佐に選んだ理由同様、「怒りに目を曇らせた同族たち」が、これ以上感情に身を任せて己の身を滅ぼしてしまわないよう、それを止められる役割を選んだためだ。
 ……ともすれば、自らの制止によって、同族たちに恨みの目を向けられることとなっても。

おまけSS

「エウリュス殿は副官としては優秀ですが、人当たりの面がどうにも……」
「シルヴェスタ様はその辺りの理由をご存じでしょうか?」
「……昔のアイツは今と違ってね。
 髪も長く、細身な子供で、人によっては女と間違えられることもあった」
「……。はい?」
「それが理由で、『渡り鳥』の中でも主に女性陣に着せ替え人形扱いされたことが多々あったんだ。
 勿論アイツ自身も抵抗はしたらしいけど、そういう『趣味に全力になったご婦人』の勢いと言うのは、どうにもならないものだったらしい」
「………………」
「口調が変わったのは本当に『最後』のことさ。
 最初は肉体改造、次に断髪、最後に口調と、達成が困難な順から自分を変えていって、今のアイツが出来ている」
「……その。大変な幼少期、だったのですな」
「理解しろとは言わないし、アイツもそれを望まないだろうけどな。
 ……それでも、その話を思い出す度、『よく心が折れなかったな』と僕も思ってるよ」

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