PandoraPartyProject

SS詳細

『幸せの作り方』、そのひとつ。

登場人物一覧

チック・シュテル(p3p000932)
赤翡翠
チック・シュテルの関係者
→ イラスト

名前:リック・ブラン

種族:カオスシード

性別:男性

年齢:30

一人称:僕

二人称:~君、~ちゃん/(年上相手)~さん/(妻のみ)呼び捨て

口調:~だね、~だよ、~かい?

特徴:金色の髪、青の瞳、眼鏡、お人好し、手先が器用

設定:
 チックが良く通うパン屋『アルメリア』を妻と共に経営している男性。
 人当たりが良く温厚な性格で、困っている人を放っておけない性格。そう言う点に於いて妻であるサラ・ブランとは似たもの夫婦であると言えるだろう。
 知り合った人とは家族のように仲良くなれるその親しみやすさから人脈も広い。チックを始めとした冒険者たちが依頼を達成した際も、欠かさず小さなお祝いや自作のポスター宣伝等をしてくれている。
 ……なおその分、一部の者からはいっそ恐縮されて「頭が上がらない」とまで言われているとか。

「サラの腕前には敵わないよ。彼女の作る料理やお菓子は絶品だからね!」
 ……小さくとも一代にしてパン屋を開き、尚且つ繁盛と言っていい人気を誇るリックは、常日頃それを語っている。
 何しろ元々は孤児で、或る木工細工師に拾われてきたリックは、その生い立ちから家具やインテリアを作る技術の方に秀でており、パン作りを始めたのはここ数年のことだったためだ。
 そんな彼が転機を迎えたのは、20歳になるよりさらに前の事。
 自身を育ててくれた『親』の生業を継ぐべきと考えていたリックが、しかし若いころからサラと知り合い、自らの夢を楽しそうに語る彼女と同じ道を歩みたいと考えるようになっていったことに起因する。
 ある日。そうした自らの想いを吐露したリックに、彼の育ての親は柔らかな笑顔でその背を押してくれたと言う。
 ――「誰かの幸福の彩り方は人それぞれだ。私のやり方とは違えど、同じ道を歩む我が子を誇らしく思うよ」。
『誰かの幸福』。
 育ての親が口にしたその言葉こそが現在、リックの隣人然とした在り方を形作っていると言えるだろう。

 最近になって、彼ら夫妻は一人の青年を保護した。
 記憶を喪い、自らの周囲全てを恐れていたその青年――カノンに対して、夫妻はそれを献身的に支え、今ではもう一人の家族として受け入れつつある。
 青年の側も今ではその態度を和らげ、進んで二人の店の手伝いをするようになっている。
 彼らが本当の意味で『家族』となる日は、恐らくそう遠い話では無い。

おまけSS

 周囲の人間に献身的と言えるほどのサービス、対応を施すリック達夫妻だが、実際そうした活動を続ければ採算は直ぐに赤字に傾くはずである。
 が、そうした想定に反して店は現在まで繁盛し続けている。
 この理由はひどく簡単で、それを遥かに上回るほどの厚意を彼らが周囲の人間から受け取っている為だった。

「あらブランさん! うちのお料理頂いてくれないかしら、作り過ぎちゃって」
「今期は小麦が取れ過ぎたからな。お二人にはこっそり格安で譲ってやるよ」
「隣国に出張販売? 俺の家の馬車使ってきな、貸し馬車なんて高くつくだろう!」

 無償の善意を送れば、無償の対価が返される。
 彼らの周囲は、それを良しとされる世界が広がっているのだ。

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