PandoraPartyProject

SS詳細

黄金の黄昏

登場人物一覧

アリア・テリア(p3p007129)
いにしえと今の紡ぎ手
アリア・テリアの関係者
→ イラスト

名前:アルバ=カトルセ
種族:魔種
性別:男性
年齢:19
一人称:俺
二人称:お前
口調:~だ、~だろう?
設定:
 彼の始まりは何処にあるのか。
 記憶の果てに『何か』が足りぬと彼は常に感じている――

 アルバ=カトルセ。それが彼の名。

 彼の人生は欠落から始まった。
 何かが足りぬと彷徨い歩き。庇護者に拾われても尚に満たされなかった。
 記憶にもまるで靄が掛かっているかのように……
 藻掻いても彼は何も見つけられなかった。

 そしてやがて彼の人生は亡失へと至る。
 庇護者が失われたのだ。母代わりとして己の傍にいてくれていた、人物が。
 それは『母』たる者がこの世に仇名す魔種であったからであり、故にローレットに討たれた訳であったのだが――斯様な事情など彼にとっては知った事か。なにより『母』はアルバをお気に入りとして手元に置き、不自由のない生活を送らせていれば尚更に。
 ……何かが足りないのに。
 近くにある何かもかもが奪われる彼は、憤怒の深奥へと堕ちていく。
 『母』と同じ領域に達したのだ――
 世界を滅ぼす因子を身に宿す、魔種という存在に。

 ローレット。己が『母』を奪った奴らへと復讐の誓いを胸に刻みながら……

 そして彼が立ち上げた組織が『Vergeltung(フェアゲルトゥング)』
 ローレットに対して復讐を誓う集団のリーダーが彼である。組織を潰す為ならどんな手法も厭わない卑怯さと貪欲さを持ち、彼は常にローレットに隙がないかを窺っている……
 また、集団に属する者もなんらかローレットに対しての恨みがある者を中心に構成されており、その攻勢は一度始まれば苛烈極まるだろう。

 ……だが。それはそれとして彼はローレットへの復讐だけに生涯を費やしている訳ではない。
 彼は探している。己の記憶の果てにある筈の――『何か』を。
 ずっとずっと探しているのだ。胸元に光る錠……
 この対となる鍵を持つものを探し求めていた。
 確信があった。『その時』きっと自らはピースが嵌るのだと。

 きっと、その人物は自分の事を知る人物だと信じて。
 きっと、己の欠けている何かを埋めてくれる人物だと信じて。
 きっと、どこか飢餓感にも似たこの魂を――満たしてくれると、信じて。

 だが、彼は知らない。
 その『姉』あるアリア=テリアはまさに。
 彼が憎むべき『ローレット』に所属している事を――

 ――あぁ。悲劇という名の観客はいつだって。
 手薬煉引いて待っている。

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