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『最悪のトリックスター』、ハーロウ

登場人物一覧

キドー・ルンペルシュティルツ(p3p000244)
社長!
キドー・ルンペルシュティルツの関係者
→ イラスト

名前:ハーロウ
種族:旅人ウォーカー・???(種族不明)
性別:男性
年齢(或いは外見年齢):外見年齢20代・実年齢不明
一人称:ボク
二人称:キミ・呼び捨て
口調:だ、だよ、だよね、等
特徴:最悪の愉快犯。その一言に尽きる。

 その正体は猿の化け物である、ということ以外は一切の素性が不明の旅人ウォーカー。今よりはるか昔、先々代のヴァレンシュタイン当主に拾われ、客人兼世話係として仕えることになる。
 彼は飄々としていたが、不思議と人好きのする魅力を持っていた。先々代のヴァレンシュタイン当主が彼を召し抱えたのも、そう言った奇妙な魅力があったからかもしれない。それがギフトなのか、天性の話術によるものかは不明だが、少なくとも、彼は献身的にヴァレンシュタイン家に仕え続けた。それは、今代の当主、バスチアンの時代に至るまで。表面上は。

 だが、その本性は悍ましいものである。彼は先々代の当主の妻を言葉と肉体をもってたぶらかし、肉体関係を結んだ。そうして生ませた子供を、ヴァレンシュタインの次期当主の座に据えてしまったのである。つまり、この時点でヴァレンシュタインの血筋は途絶えていることになる。彼はヴァレンシュタインを乗っ取りたかったのか、と言えばそれは違う。彼がこのような行いに打って出たのは、単に『面白かったから』である。自分を助けた男が、自分とは何のゆかりもない子供を、後生大事に育て上げているのが、たまらなく面白かったから。その程度の小さな理由だった。

 彼の破滅は、その後、今代の当主、バスチアンの時代に訪れる。バスチアンの妻と再び不貞を働いたハーロウは、バスチアンにその尻尾を掴まれた。激しい拷問の末、自身の行いのすべてを自白したハーロウは、バスチアンに笑ってこういったという。
「キミはおじいちゃんに似ているとされているけど、笑うね。キミとおじいちゃんには、何の血のつながりもないというのに。
 いやぁ、バスチアン、我が孫よ。笑いなよ! こんなに笑える話がほかにあるかなぁ!」

 ……彼は、怒りに狂ったバスチアンによって、妻ともども殺害され打ち捨てられた。その邪悪な性質は、バスチアンの精神に深い傷を残し、深い旅人ウォーカーへの憎悪を刻みつけることとなる。
 彼はすでに死んでいる。だが、その邪悪な精神性はバスチアンの心を今もさいなみ続けている。
 彼はすでに死んでいる。それは間違いない。
 間違いない、筈である。

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