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君と僕
登場人物一覧
名前:ナセル・ベルニエ
種族:人間種
性別:男
年齢:15歳
一人称:僕
二人称:~さん、君、ちゃん。友達には呼び捨て。アンジェロ
口調:かな。だよ。だね。かい?
特徴:色白で金髪青瞳の少女と見紛うような美少年。アンジェロよりは短い髪。さらさら。
設定:
幻想貴族元ミーミルンド派ベルニエ男爵家の末弟。
先のヴィーグリーズ会戦の折に、家の権威は失墜し実質の没落貴族となった。
残された財産で小さな家を買い、市井の民として暮らす事となったものの、父母は憑きものが落ちたかのようにのんびりとした性格になってしまった。
男爵としての誇りや権威を持ち張り詰めていたものが一気に無くなってしまったからだろう。
肩の荷がおりたと表現してもいい。
ナセル自身は貴族社会を疎ましくおもっており、ようやく自由になれたと思っている。
イレギュラーズ達の活躍には感謝こそすれ、悪い感情は持ち合わせて居ない。
あのまま悪を正さなければ、自分も貴族社会に染まっていただろうから。
元貴族だった身分を隠し、ただのナセルとして学校に通う事となった。
新しく編入してきた『アンジェロ』との出会いは、きっと必然だったのだろう。
ヴィーグリーズ会戦に降り立った『天使』の話しを父から聞かされた時に、叶う事なら会ってみたいと思っていたのだ。
ナセルのこれまでを壊し、これからを照らした天使に。
けれど、まさか。『天使』がこんなにも人間くさくて恋にときめく少年だとは思っていなかった。
アンジェロに幻想を抱いていたのは自分の方だったと思い知らされたのだ。
だから、天使なんて何処にも居なくて。自分が此処に居るのは家が没落したからで。
アンジェロとナセルは只の『親友』だった。
対等な人間同士。天使だとか貴族だとか関係無い繋がり。
此こそが自分の求めていた自由だったのだと、ナセルは笑った。
「ねえ、アンジェロ。今度、美味しい紅茶をとケーキを出すお店に行ってみない? 紅茶、リルさん好きでしょ? 教えてあげたら喜ぶんじゃない? その下調べ」
「えっ! 行く行く! でもリルと行くからじゃなくてナセルと一緒に行くのも、僕は楽しみなんだよ?」
嬉しい事を言ってくれる。
「そうか。なら僕と一緒に行こうか、アンジェロ」
「うん! 楽しみだねナセル!」
二人で学校からの路を歩いて行く。
こんな日々がいつまでも続きますようにと、ナセルは天使じゃないアンジェロに願った。