PandoraPartyProject

SS詳細

心に翼を

登場人物一覧

チック・シュテル(p3p000932)
赤翡翠
チック・シュテルの関係者
→ イラスト

名前:アンネリース゠フェドー
種族:人間種
性別:女
年齢:12歳
一人称:私(わたし)
二人称:あなた、~さん/(父親相手)お父さん
口調:~ね、~よ、~かしら?
特徴:白金色の髪、空色の瞳、穏和、無垢、強がり
設定:
 アンネリースはルスティカ=フェドーの養女であり、彼の元で幸せに暮らしている。血は繋がっておらず、種族も違うが、養父との関係は良好。何せ彼女は赤子の頃から彼に育てられているのだ。義父と自身の違いを指摘されて悩んだ事もあったが、彼女の眼前にはいつだって憧れる背中義父の姿があった。
『皆に慕われ、立派なお父さん。いつも困った人を助けているお父さん。
 羽が無く、魔法も使えなくったって、私には私の出来ることを――』
 穏やかで優しく芯の強いアンネリースは、いつだって前を向いている。……少々お転婆がすぎると義父に案じられているが、それはそれ。そんな彼女を、養父を含めた親しい人は『アンネ』と愛称で呼んでいる。
 魔法が使えないと思っていた彼女だが、養父曰く、どうやら僅かに魔力の才があるらしい。彼女は齢十二の誕生日にこれを聞いて喜び、その日から力が扱えるようにと日々励んでいる。

 彼女の養父ルスティカは、飛行種のみで構成され『渡り鳥』――そして『ある事件』後に三つに別れた派閥のひとつ《中立派》の長である。
 ある事件とは『渡り鳥』の数名が火に潰えることとなった、『渡り鳥』に持ち込まれた狂言誘拐の依頼のことだ。
 当時の『渡り鳥』たちは「幼馴染である騎士がある貴族令嬢と結ばれるために、誘拐協力してほしい」と聞かされていた。誘拐された令嬢を騎士が助け出す、という筋書きだった。――しかしそれは『渡り鳥』を捕縛し、処刑して一掃するための罠だった。
 事件の黒幕たる『渡り鳥』の青年に傷物にされた令嬢の子――それがアンネリースである。
 元の母親に会える事はない。何故なら既に、元凶の一人である令嬢と貴族は何者かによって殺されてしまったのだから。
 元の父親の事を彼女は知らない。知らず、引き合わせない方が幸せな事は確かだろう。何せ、幾つもの罪を重ねている『大罪人』なのだから。
 しかし、生まれた子である彼女には一切罪が無い事を忘れてはいけない。
 養父は情報を掴んだとしても、彼女に漏らすことはしない。養父も言えない秘密を抱えながら、彼女の幸せを願っているからだ。けれどいつかきっと、彼女に告げる日が来ることだろう。

おまけSS『文通』

「アンネ、また手紙を書いているのか?」
 突然名を呼ばれ、アンネリースはパッと顔を上げた。部屋の入口には、シュティーナが立っている。突然――と思ったけれど、彼女のことだ。きっとノックだってしたし、何度も戸を叩いてくれたのだろう。
 相手は、なんて彼女は問わない。時折こうして私が『彼』と連絡を取り合っていることを彼女は知っているから。
「だって、早く返事を出したくて」
 手紙は出してから相手に届くまで、そして相手が返事を書いてこちらに届くまでの時間がどうしたって掛かってしまう。それに相手――友人のチックは、旅をしている。出すならば早めが良いと気が急いてしまうのだ。
 胸元に揺れる彼から貰った小さな白い卵を模したアクセサリーに視線を落とせば、自然と笑みが浮かぶ。
 用事があって来たのだろうシュティーナは瞳を閉ざして小さく息を吐き、書き終えたら来てと告げて部屋を出ていった。呆れたのではない。彼女はとても優しいのだ。

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