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友の涙に
登場人物一覧
名前:イーハトーヴ・アーケイディアン
一人称:俺
二人称:君、呼び捨て
口調:だよ、だね、かな? なの? でしょ?
特徴:ぬいぐるみ職人。獏馬(しゅう)の依代の馬のぬいぐるみを作った。龍成の友達。
設定:
クリスマスの夜に燈堂家で再会した友人は涙を流し龍成に喜びを伝えてきた。
心配そうに自分を見つめるイーハトーヴの瞳に浮かぶ雫。
龍成は眉を下げて頭を掻いた。
「悪かったな。心配掛けて俺も突然ログアウト不可になって連絡も出来なかったんだよ」
「うん。そうだよね。俺もROOで大変だったんだよ。龍成を探したり、他の子を助けに行ったり」
イーハトーヴはネクストでの思い出を龍成に語る。
「本当はROOで龍成を見つけ出して、助けなきゃって思ってたんだ。だって、お祭りの時約束したから」
――また遊ぼう。
そう約束を交したのだ。
「おう、そうだな。今日はもうこんなだから。年明けたらどっか遊びに行くか」
「うんうん。しゅうも一緒に行こうね」
ぬいぐるみ姿のしゅうを撫でてイーハトーヴは微笑んだ。
「あ、そうだ。イーハトーヴに渡したいものがあったんだ。龍成、持ってるでしょ?」
しゅうはぬいぐるみの手で龍成の膝を叩く。
「おお、そうだった。ほら、クリスマスプレゼント。しゅうと俺から」
「わあ! 開けても良い?」
イーハトーヴが小包を開けると、中から出て来たのはオフィーリア用のリボンとチャームだった。
「二人でね、どうしようかって迷って。イーハトーヴなら裁縫道具とか良いかなって思ったんだけど、でもお仕事道具でしょ? 僕達の審美眼よりイーハトーヴ自身が選びたいと思って。だったら、オフィーリアのリボンにしようかってなったんだ」
「う、嬉しいよ。オフィーリアも喜んで……ぅ、う」
イーハトーヴの瞳からぽろぽろと落ちてくる涙を龍成が掬う。
「それは良かった。二人で選んだ甲斐があったぜ」
「ふふ、やったね」
ここの所、一息吐ける時間を取る間も無く慌ただしく日々を過ごしていたから。
龍成が無事に帰って来た事も、プレゼントを貰った事も。
嬉しくて。嬉しくて。
染み渡るように、イーハトーヴの心が満たされていく。
イーハトーヴは嬉しさ溢れる涙を落し、微笑みを浮かべた。