SS詳細
主のための朱い槍
登場人物一覧
- カイトの関係者
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名前:朱槍(しゅやり)
種族:鬼人種(ゼノポルタ)
性別:男性
年齢(或いは外見年齢):20
一人称:私、俺、
二人称:(主や客に対して)~様、お前、貴様
口調:(主や客に対して)です、ます だな、だろう
特徴:【お人よし】 【根は真面目】 【心配性】【実直】
設定:
「貴様、黎斗様に対して何たる無礼かっ! あまりうろちょろしてると牢に入れるからな!」
霧島家の使用人。
かつて悪さをして霧島家の牢にとらわれていたところを、霧島黎斗に救われた。
「貴様! うっかり話してしまったではないか!」
命の恩人である主に対しての忠誠心は人一倍。
同じ顔を見るや、咄嗟に「主」と言って駆け寄ってくるが、うっかり内情を漏らしてから相談後に違いに気が付いて慌てることもしばしば。なんだかんだ律儀なので、聞かれると答えてしまうようだ。
なんだかんだ、イレギュラーズたちが義に熱い様子を理解している様子でもある。
実は元ヤン。
キネマの中では人知れず命を落としたはずだった彼は、イレギュラーズたちの介入により生き残った。しかし<神異>事件で黎斗は朱槍の存在を忘れてしまった。
「見張りヨシ! 異常ナシ!」
「黎斗様……いえ、初めましてっ! 俺は! あなたにお仕えするためにおります」
<神異>事件前は盲目的とも呼べるほどだったが、事件を機に、主の正義感が時として危うい結果をもたらすことを知る。失ったものは数あれど、それでも絶望的だった「霧島黎斗の生還」を喜んでいる。
彼を支えるための存在となるべく修行中の身である。
……姿かたちはちがうものの、某所、静明の里にも、よく似た若者が稽古に励んでいるとか、いないとか。
おまけSS『リセット』
黎斗様。
黎斗様。黎斗様。
あの戦火の中、俺は黎斗様を止めることができなかった。黎斗様に救われた命。黎斗様のために使おうと思っていた。それでもあの月の下、自分の体は動いてはくれなかった。黎斗は素晴らしい術師で、踏み込むことなどできなかった。自分の命を使うことは本望だった。けれどもおよびすらしなかった。
もう会えないのだと思った。
だが、奇跡は起こった。
「ああ、誰だっけ、悪いな。覚えてなくてさ」
黎斗様の言葉に、俺は固まった。けれども、答えることができた。
「俺は朱槍です」
主が生きていることが何よりも喜ばしかった。