冠位愛人

登場人物一覧

名前：アリシス・シーアルジア
種族：旅人
性別：女性
年齢：二十代中盤程度に見える
一人称：私
二人称：～様
口調：～です、～ます、～でしょうか？（内心では～だわ、～ね、～か？）
特徴：美形、長髪、凛としている、信仰者
設定：
　出身世界は地球。高度な文明社会、科学的な人間社会の裏側に魑魅魍魎、魔術師、神秘が跋扈する『現代』に近い世界。
　同じ旅人であるラウラ・プレスティとは同郷にして『遠い同僚』の関係。
　但し無数の平行世界が存在すると推測される『地球』において、同一性を問うのは困難である。
　アリシスはアイルランドの高名な神学者の家に産まれた。
　素直で優しい性格であり、才覚と美貌に恵まれた彼女は将来を嘱望され、誰からも愛される幸福な子供であった。
　異変は九歳の時に起きた。世界の裏側――即ち、人智及ばざる『災厄』に出会った彼女は妖精郷にさらわれる。
　その悍ましくも美しい、不明の世界が本当に『妖精の世界』であったかは知れないが、神秘に触れた事からアリシスは『普通の人間』から乖離する。
　神秘的体験から魔術師に覚醒した彼女は結果的に元の世界に帰還するも、時間軸のずれにより数十年の時間を経た元の世界に彼女の愛した人達は誰も残ってはいなかった。
　又、生来の金髪碧眼は銀髪紫眼に変化し、彼女自身も大人の女性として成熟してしまった事から同一人物と理解されるのは困難だった。
　寄る辺を失い神秘を得た彼女は魔術の世界に傾倒していく。
　それは元々は代償行為だったかも知れないが、未知への渇望を持っていた彼女にとって魔術師は天職であった。
　流浪の旅の中でやがて彼女は或る魔術師に出会う事になる。
　魔術世界の『戦争』と称するべき対決に（単純化した）『善』サイドで敗れた彼女は同時に（単純ならぬ）『悪』に魅せられる。
　そうして付き従う事となった『疾く暴く獣』の異名を持つ彼は彼女にとって師匠であり、愛人であり、父だった。
　世界最強ともされる魔術の秘密結社を率いる彼と共に冥府魔道を歩む彼女はやはり既に少女では無く、人間ではなく、『魔術師』だったと言えるだろう。
　愛用の『戦乙女の槍』は彼から賜ったものであり、彼女の魔術の多くも薫陶を受けたものである。
　更なる闘争の果てに主を失った後は再び流浪の日々に戻るも、その性質は『観測者』に寄っている。
　それは無意識の内に主の道を追っているのかも知れないし、そうでないのかも知れない。