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愛してるからしょうがないね

登場人物一覧

散々・未散(p3p008200)
魔女の騎士
散々・未散の関係者
→ イラスト

名前:散々未散(但しオリジン)
種族:旅人
性別:女
年齢(或いは外見年齢):少女にも成熟した女性にも見える
一人称:ぼく、わたし
二人称:~さま、或いは呼び捨て
口調:です、ます、ですか?、でしょうか?
特徴:蠱惑、王道、ファム・ファタル、奉仕者、敗北者
設定:
 まずもって散々未散は恐らく偽名である。
 そして彼女を産み出した存在(もの)もまた『散々未散』では有り得ない。
 しかしながら、茫洋として影を追うような女の事を語るのに『名前という記号』は重要ではないという事だ。
 元々の未散は混沌とは異なる別の世界で『王』を望まれた器である。
 但し、この場合の王権とは支配者としての意味合いは持たず、被支配者への奉仕を意味する。
 彼女が王であった理由は『そのように造られたから』というのが正しく、彼女は君臨すれども誰かを搾取する――出来る立場ではなく、搾取『される』立場であった。
 誰かにとっての『幸せ』であれと望まれた鳥籠の王(こうふくのおうじ)は、持てる力の全てを振るって『他人の為だけに生きる事になる』。
 常に誰かの為に泥を被り民の為に戦い、薄汚く渦巻く陰謀の坩堝で追い込まれ。
 絹よりも美しい羽を毟られ、宝石のような目さえ誰かに与え、誰からも省みられず、感謝もされない。
 だが、歪に美しく暗いメルヘンに影は要らない。
 彼女はそれを悲しいものとは思わず、彼女が愛し、奉仕した人々もそれを哀れな事とも思わない。
 ただ、謀られ、嵌られ、裏切られ、守り与えた誰もに畜生以下の扱いを受け。
 彼等に可愛がっていた黒猫を殺されてしまった事、『もう誰かの青い鳥になる事が出来ない事』だけは彼女を心底に悲しませたと言える。
 そんな『オリジン』から散々未散が『生まれた』理由は定かではない。
 唯少なくとも彼女の細い頸が用済み(ギロチン)を受けた時、何某かの奇跡より未散は分かたれ、混沌に降り立った。

 ……この長い前置きは『散々未散』の始まりの話である。
 彼女は色香こそあれど無垢に等しい散々未散と異なり、感情豊かのようでありながらその殆どは擬態的。
 未散は思わせ振りながら純粋であり、オリジンは思わせ振りながらに空虚である。
 未散が紫と青を移ろうダイクロイックアイであるのに対して『啄まれる前』のオリジンは生を意味する青の双眸を持っていた。
 もう一つの『首』の死の色(むらさき)と合わせ、それが意味する所は大いに謎に包まれている――

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