SS詳細
借りはいつか10倍にして返すわ
登場人物一覧
- 恋屍・愛無の関係者
→ イラスト
名前:ニフ・レンソイス
種族:獣種(ブルーブラッド)
性別:女性
年齢(或いは外見年齢):21
一人称:あたし
二人称:呼び捨て、あんた
口調:~よ、わね?
特徴: 【もふもふ】【誇り高い】【軟派】【根は真面目】
設定:
「きれいごとじゃお腹は膨れないのよ!」
元、ラサの傭兵団『幻戯』の一員。
もともとはルウナに「拾われた」流れ者の一人。
裏切りにより、幻戯が崩壊した際には、ルフは別の傭兵団へ友軍として派兵されていたところだった。
なによりもつらかったのは、ルウナがいなくなってしまったこと。そして、残ったはずの仲間たちが一人、また一人と去っていくことだった。
――愛と平和じゃ腹は膨れない。
もともと結構シビアな現実主義者だったが、輪をかけて守銭奴になったようである。
それでも、悪人にはなり切れず、小さな子供が腹を空かせているときに財布を開くこともしばしば。
金が何よりも大事とうそぶいているが、基本的にはめんどくさいツンデレ。愛無に対しては「別にあんたのためじゃないんだからね!」というと「そうか、僕のためではないのか。理解した」と素直に受け取られることが多かったとかなんとか。
「助けはいらないって言ったじゃない。いいよ。借りね。10倍にして返すわ」
仕事は選ぶが、金さえもらえば危険な場所にも飛び込んでいくとの評判である。
夢は、金を貯めて『幻戯』の再建のために使うことだったりする。
愛無に対しては、複雑ながら団長を眠らせてくれたことに感謝している。
そしてたまに、時々にうごめく影の中に。愛無の動きの一筋に、ルウナの面影を見ることがある。
「……いや、戦い方を教えたのは団長だから……」
そう、なにもおかしいことはないのだ。
おまけSS『食事当番』
正直言って、初めて会ったとき、――団長が愛無を連れてきたときは、ニフは愛無がちょっと苦手だった。
見た目が、そう、おっかないのもあるけど、それはまあいいとしよう。
『幻戯』はそういう集団だったものだから。
今思えば、あれは嫉妬だった。愛無はニフがわざと無視してもきょとんとしてる。「これ」とルウナがぎゅっと尻尾をつかんでくる。
「挨拶せんか。世界平和は挨拶からじゃ」
あれ? この子ほんとは悪い子じゃないのかも、と思ったのはある日の食事当番のとき。
黒こげの鍋。うっかり目を離したすきにこれだ。ニフはあまり料理が上手ではなかった。慰めるようにぺろりと平らげたのは愛無だけであった。
「苦い」
「苦いって何よ」
その時に思ったのである。もしかして気が合うんじゃないかと。