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夜の月
登場人物一覧
- アーリア・スピリッツの関係者
→ イラスト
名前:周藤夜見(しゅうどうよみ)
種族:ウォーカー(両親共にウォーカー)(夜妖憑き)
性別:男性
年齢:20
一人称:俺
二人称:君(きみ)、あんた、~さん、~ちゃん、暁月兄さん、朝比奈
口調:だね、だよ、かな?、稀に関西弁になる
特徴:妖狐の夜憑き、周藤家の当主、暁月の実弟
設定:
深道家(みどうけ)の血筋の子供のうち、
10歳を過ぎた頃、双子の妹(朝比奈)と共に空中神殿へと召喚された。
召喚された事を兄の暁月に報告した時の、電話越しの声は今でも耳に残っている。
長い沈黙の後、絞り出すような「おめでとう、夜見」という声は、大凡祝福とは言い難いものだった。
自分と同じ年で分家である燈堂に養子へ行った兄を、一族の大人達は褒め讃えた。
『あの燈堂に行きはるなんて貴方のお兄さんは立派なんよ』
『お兄さんを尊敬して見習って貴方も周藤や深道を継ぐ事を目指すんやよ?』
『ああ~、でも、うちの子やったらアカンわ。暁月さんや夜見君みたいに本家の血筋あらへんから。ねぇ?』
子供の頃は大人達の言葉が純粋な尊敬から来るものだと思っていたのだ。
だから、夜見は尊敬される兄に憧れ、自分もそうなろうと努力した。
周藤の当主に選ばれた時は、兄と同じ立場になれた事にこの上ない喜びを感じたのだ。
されど。大人達の言外に隠した意図を知る頃には、目の前には果てしない闇が広がっていた。
一族の大人達が言いたかった事は、『自分の大切な子供が
自分の信じていたものが崩れ落ちる感覚は恐怖としか表現が出来ないだろう。
これまで積み重ねた努力や尊厳が無駄になってしまうのではないかと憤った。
その心を救ってくれたのは、兄である暁月だった。
「大人達の言葉は残酷に聞こえたかもしれないけれど、それでも私達は当主として皆を守らなければならない。
けれど、覚えていてほしい。今まで歩いて来た道は、夜見がしっかりと自分の足で踏みしめたものだ。
今は見上げた先が暗闇かもしれないけれど、いつかこの路で良かったと思う日が必ず来る。だから、大丈夫だよ夜見。
迷うなら私の後に着いて来なさい。夜見の行く先は私が照らそう」
自分が尊敬した兄は、やっぱり誰よりも立派な人だった。
大人達に言われたからではない。自分の意志で兄のようになりたいと願ったのだ。
- 夜の月完了
- GM名もみじ
- 種別設定委託
- 納品日2021年08月22日
- ・アーリア・スピリッツ(p3p004400)
・アーリア・スピリッツの関係者
※ おまけSS『喋り方へんやで?』付き
おまけSS『喋り方へんやで?』
「朝比奈、夜見7歳の誕生日おめでとう!」
「ありがとう。暁月兄ちゃん」
「えへへ。ありがとー! 兄ちゃん」
「お前達ももう7歳か。夜見も朝比奈もぐんぐん身長が伸びて、大きくなったね。お前達の成長が嬉しいよ」
「……ねぇ、暁月兄ちゃん」
「朝比奈どうしたんだい? もじもじして」
「えっとな」
「朝比奈、言うなって」
「でも、変なんやもん」
「うん? 何が変なんだい?」
「暁月兄ちゃん、しゃべり方変なんやもん」
「え。そ、そうかい? 変か。そうか」
「うん。変やで」
「もー、朝比奈。……兄ちゃん気にせんとってな?」
「変やけどな。でも、その喋り方も好きやで。暁月兄ちゃんは暁月兄ちゃんやもん」
「朝比奈、夜見……お前達、ほんま。可愛いなぁ。兄ちゃん頬ずりしたろ。たまにしか会えへんからええやろ」
「あ、戻った。えへへ」