深き森の理解者

登場人物一覧

名前：クロバ・フユツキ
種族：ウォーカー
性別：男性
年齢：28
一人称：俺
二人称：君、呼び捨て
口調：だな、だね、かな？
特徴：とても頑張り屋さん。我々の良き隣人
設定：
　クロバさんについて、ですか？　そうですね……とても頑張り屋さんである、と。そう思います。
　我々は、変化を厭います。それはご存じでしょう。この壮大なる森、ファルカウは私達と共に暮らし、長命の種である我々の凪に寄り添ってくれるのです。
　ですが、そんな私達に変化をもたらしたのは外の人間でした。私達は変化を厭う。けれど、変わってしまえば目を瞠るばかりです。
　私は、外の世界を案外嫌いではないのだと、そう思いました。クロバさんは縁もゆかりもない私達に気を配って下さいます。
　お父上の事はフランツェルやストレリチアからも聞いています。その確執は、心に残った痼りはどれ程に苦しいものでありましょうか。
　私も……ええ、私も。ご存じの通り妹を亡くしています。小さな擦れ違いでしたが……ええ、けれど、その心を救ってくれたのも皆さんでした。
　私はそれに感謝をしている。もしも、貴方にとって家族を手に掛けるという悍ましい所業を目に映すことになった私への同情であろうとも。
　……ふふ、意地悪を言いましたね。いいえ、なんでもありません。あの一件へと関わって下さった全ての方に感謝を為ているのですよ。

　それ以外にもこの深き森に一度危機が訪れれば身を挺してでも闘ってくれる。
　私は其れが嬉しいのです。
　長く生きてきた私にとって、この森の幻想種は家族同然です。……家族を護って下さる貴方に感謝をするのは人としての道理。厭うわけがありません。
　ですが、永き時を過ごしているからこそ、私は皆さんを『家族』と呼ぶことが出来ない。愚かにも、喪うことを知ってしまった、のでしょうね。
　もしも、この森に危機が訪れ、それを救うのが貴方達ならば。
　私は、貴方達を家族と呼びたい。……そう、呼べるように努力を、しますね。これが私への課題です。クロバさんに誓って。

　この森に残る風習は、そして、閉鎖的な意識は、まだまだ根深いものでしょう。
　それでも飛び込んできてくれる貴方に、皆も心を開いてくれるはずです。その努力に何時か我々の抱く氷が溶け、報いるときが来ますように。
　――どうか、無理をせずに。……貴方も私にとっては良き隣人なのですから。