SS詳細
『青リンゴの姫』、マリエット
登場人物一覧
聡明にして可憐、さわやかな青リンゴを思わせる少女。
しかしそのリンゴには、致死性の毒を含む。
名前:マリエット・グランラン(おそらく偽名)
種族:純種・人間種
性別:女性
年齢(或いは外見年齢):17歳
一人称:わたくし
二人称:あなたさま、(名前)さま
口調:丁寧(です、ます等)
特徴:つややかな黒髪、儚げな容姿……男が守りたくなるような女性だが、それすらも罠である。
設定:
「領主さま、マリエット・グランラン、要請に従い到着いたしました。
これよりわたくしは、あなたさまの手足となりましょう。ご随意におつかいください」
『アンジェリカ商会』よりドゥネーヴへと派遣されてきた女性。同商会の一人娘であるイスラフィール・アンジェリカの信頼も厚く、実務面でも有能な女性である。
表向きの彼女の役割は、ドゥネーヴのベネディクトとイスラフィールとの連絡役である。また、ドゥネーブ領での実務的な手伝いも、頼めば行ってくれるだろう。前述したとおり、実務面でも彼女は優秀であり、頼れるパートナーとなってくれるはずだ。
そして、彼女の本来の役割は、暗殺に関するすべての対策業務である。アンジェリカ商会の裏の顔、暗殺者としての一面を、彼女もまた持ち合わせている。とりわけイスラフィールに師事したと言われるほどに毒物の扱いには長けており、彼女がドゥネーヴに居る限り、ベネディクトに対する暗殺、特に毒殺を実行するのはひどく困難な事となるだろう。
また、彼女自身も強力な毒殺者である事は記した通り。その力をベネディクトが必要とするならば、彼女はためらわずにその力を振るってくれるだろう。
彼女を派遣するにあたり、イスラフィールから要求された対価は、『これからも商会との取引を継続してくれる事、そしてマリエットがちゃんと生活できる程度の賃金を与える事』であった。有能な暗殺者を派遣するにあたり、対価としては安いかもしれない。しかし、それはイスラフィールが、ベネディクトとのつながりに、何らかのメリットを抱いていることの証左でもある。
豪商でありながら、暗殺組織としての一面をも持つアンジェリカ商会。深い取引を続けることが、果たしてベネディクトにどのような利害をもたらすのか。今のところは、まだわからない。
「しかし領主さま。どうかお気を付けください。
青く、甘いリンゴに見えても、それは恐ろしい毒を湛えた禁断の果実なのかもしれないのです」