SS詳細
姫騎士たちがいちゃいちゃらぶらぶする本【無料版】
登場人物一覧
●
「―――ハッ!!」
『なぜか自分の本が売られてました』シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)の瞳が勢いよく開いた。
まず瞳に見えたのは、真っ白な天井だ。
何度か瞬きしてから上半身だけ起こし、周囲の状況を確認。そして自分の身なりを確認していく――――武器や防具が無い。そして何故こんな場所にいるのかも思い出せない。
しかしそれを考える前に、隣にいる存在を揺らして起こした。
『私は屈しない!!』アルテミア・フィルティス(p3p001981)は、うつ伏せになりつつだが膝立ちで腰だけ高い位置に有るあられもない姿で倒れていた。
「アルテミアさん! アルテミアさん!!」
「う、……ううっ、此処は……?」
薄っすらと開いていくアルテミアの瞳。シフォリィの視線にアルテミアの視線が繋がってから、アルテミアは起き上がった。そして同じように周囲を確認する。
真っ白で正方形の部屋。
何故か床はベッドのように柔らかく、その他の家具や物は一切ない。
本来ならあるはずの出入り口というものが存在せず、自分たちがどうやって入ったのかさえ不明だ。
唯一あったものとしては、部屋の角っこに意味深なメガネがひとつ落ちているくらいだ。しかしその眼鏡は、まるで聖剣に打たれたかのように粉々になっており、これはこの領域を侵すものあらばこうなるという比喩のようである。
シフォリィはアルテミアに此処まで来る経緯を覚えているか問うたが、アルテミアも覚えていないらしい。ある意味状況と同じく八方塞がりだ。
一体、何に巻き込まれたというのだ――部屋の隅の眼鏡だけが知っているかもしれなかった。
「あ! あれをみてシフォリィさん」
「なんでしょう? ………な!?」
そこで二人が目にしたものとは――――!
「―――くっ、これが敵のやり方ですか……!」
敵が何だかよくわからないままシフォリィは強大な敵を前に奥の歯を噛みしめ、地面に拳を落とした。そこでアルテミアが少し頬を赤らめつつくねくねしながら、シフォリィの裾をつまんで力弱く引っ張った。
「どうしましょう、シフォリィさん……私は、その、いい……ですよ……?」
「そ、そんな! 罠にハマるような真似……で、ですが、確かにまずは此処から出ないことには始まりませんから……ね」
二人が目にした内容は公には言えないが、『×××しないと出られない部屋』と書かれていたらしい。なお、×××の内容は想像にお任せしなければならないところだが、あくまでスポーツであり、マッサージであり、汗をかく感じのやつなので落ち着いて安心して欲しい。PPPは全年齢の健全なゲームだ。
「誰もみていないし……ね? えと、その……やだどうしようなんか恥ずかしくなってきたわ」
「な、なら私に任せてください! これでも花嫁修業は積んできたつもりですから、このシフォリィに! お任せ! を!!」
「い、いえ、そんな! 任せっきりなんて、申し訳ないので、私だって、そのっ、あのっ、えっ」
「えっ」
「えっ」
まるで新婚初夜のように照れながら、近くもなく遠くもない距離でけん制を始めた二人。
「えっと!」
「えっと……!」
一度肺の中の空気を入れ替えるように、お互い顔を全力で反らしてから深呼吸をした。
こうしている内にも時間は進んでいく。
何かしらの大きな思惑の渦中にいるのならば、早く此処から脱出せねばならない。どこからか沸きだす使命感――そして、二人は。
「いきますよ、シフォリィさん……」
「はい……、もう何も怖くないです」
●
互いに向き合って、膝立ち。
アルテミアとシフォリィは両手の指を絡め合った。
こんなに近くで顔を合わせたことが無かった二人は、瞳の色の美しさに見惚れながら少しずつ顔を近づけていく。おでこがゆっくり触れ合って、誓った。
「これからすることは……、内緒ですよ、シフォリィさん」
「はい、勿論です……お互い、協力し合いましょう……」
シフォリィはゆっくりアルテミアの肩を押し、床の上に寝かせた。アルテミアの身体を傷つけないように受け止めた床は、ふわりとしていて、まるでベッドのようである、ていうかベッドだ。
シフォリィはアルテミアに重なるように覆いかぶさり、アルテミアの頬を愛おしそうに撫でた。不安気に見つめていたアルテミアの瞳が、少しずつ溶かされていくように潤いを帯びていた。
「ふふ、くすぐったい……」
安心したように、シフォリィの手に手を重ねたアルテミア。
「これから、もっと、くすぐったくなるかもしれませんね……」
「ん……」
アルテミアの瞳がこれから何が起こるのか悟ったように、ゆっくりと閉じた。それと一緒に頬が少しだけ朱に染まっていく。
「痛くは、しないでくださいね……」
「はい」
少しだけ横に顔を背けたアルテミア。人間の身体のラインが浮き出た首筋に、シフォリィの口が寄る。
シフォリィの吐息を首で感じてから、そこを甘噛みされた感触がアルテミアの身体に迸った。照れ臭さか、それとも、緊張か。背過ぎに電撃が奔るのと一緒に、少しだけ甘い声がアルテミアの口から零れた。
こんな声が出るものかと、自分の意外性を感じてアルテミアの朱に染まった頬が、更にザクロのように真っ赤へ変わっていく。そんな少しの変化にシフォリィの胸は高鳴った。
「ふふ、可愛いです」
「そ、そんな事言ったら、だめ、です………あっ」
くすくすと笑ったシフォリィは、アルテミアの両手首を抑えながら、首筋を下から上へなぞるように舌を這わせた。少しだけ汗ばんだ味がリアルにシフォリィの口内を侵食していく。だがそれが甘露にさえ思えるように辿り続け、その先にあった耳を優しく食んだ。
ぴくん。
素直に反応するアルテミアの身体。抑えられた手の指がびくびくと動きながら、それでいても無抵抗だ。
アルテミアもそうだが、シフォリィの身体も少しずつ火照っていた。彼女の反応が愛らしければ愛らしいほど、シフォリィの奥のところがきゅんきゅんと切なくなって、シフォリィは太ももを擦らせていた。
「シフォリィさん……」
いつしかシフォリィはアルテミアと同じく、切ない表情に変わっていた。息をするのも苦しいように絶え絶えで、絞り出したような鳴き声が次の刺激を待つようにしていて。
そしてアルテミアは自然とシフォリィの背中に手を回し、横に倒して、今度はシフォリィが仰向けになる番になっていた。
「ここにきて、恥ずかしくなってきました……」
「シフォリィさんも? 私は……ちょっと楽しくなってきたかもしれません」
「いけない子ですね」
「はい、いけない子です」
アルテミアはシフォリィの服を少しひっぱり鎖骨を露出させた。
そしてそこに口づけをする。ちゅ――という音と共に、シフォリィの喉の奥が鳴る。そのままアルテミアはそこに甘い蜜でもあるかのように執拗に吸って、痕を残していく―――花のように咲いていくそれは、そして、その痕を残す口づけは、段々と下に、下に、ずれていき――特にシフォリィの身体がくすぐったく反応するところ付近までいった。
「そ、それ以上は、だ、だめですっ」
「ちゃんとしなくちゃ部屋が開かないかもしれないので……」
「そ、それは、そうですけど……!」
続いて与えられていく刺激。
キスの音が重なる度に、シフォリィがベッドのような床を掴む力が強くなっていく。
アルテミアに自分の身体を探られていくうちに、恥ずかしさよりも更にその心地良さを求めて、シフォリィの奥のところが激しい熱を帯びていた。アルテミアもそれをみて、芯の所を埋めて欲しいように疼いている自分を感じていた。
ふわふわとした気分だが、刺激を与えられる度に現実に戻されるようで。
それでいて、アルテミアの行為が愛おしくさえ思えるシフォリィ。まるで、赤子が母の乳をまさぐるのを見ているかのように、シフォリィの中の母性もまた、疼いていた。
アルテミアはシフォリィの太ももをゆっくりと撫でながら、視線をシフォリィの視線にぶつけた。
「ふふ、可愛いです」
何かが欲しいと言わんばかりのシフォリィの潤んだ視線。アルテミアは微笑んだ。
アルテミアはシフォリィの太ももに、また、痕を施していく。
自分のものであると傷をつけるように。自分を求めるような口づけに。シフォリィの足の先までもがピンっと張って反応し、シフォリィはまた羞恥の波を感じていた。
こんなのは現実的では無く、甘い幻なのかもしれないと夢みれば、アルテミアの指先がシフォリィの足の敏感なところを刺激して現実に戻される。
その繰り返しの先で、自分の足の間に身体を挟んで己を弄ぶアルテミアの頭を撫でたシフォリィ。
「アルテ、ミアさん」
「シフォーー」
シフォリィは起き上がり、アルテミアを抱きしめた。
己の身体の火照りと、相手の身体の熱さを同じように感じつつ、何を言えばいいのかアルテミアは視線を彷徨わせていると、ふいに、シフォリィの身体が少しだけ離れ。
離れたかと思うと、少しずつ顔と顔が近づいていく。
頬を温かい手で撫でられながら、シフォリィの唇がアルテミアのそれと重なった。
最初は戸惑って見開いたアルテミアの瞳も、熱に浮かされて閉じ。何度も角度を変えながら、優しい口づけに引き込まれていく。二人の手はぎゅっと握られながらも、熱を与えられ与えながら、自分たちの頭が麻痺していくのを感じていた。今更それに抵抗することは無く、息をしようとどちらかが顔を引けば、追ってくるように再び捕らえられて吐息は交換されていく。
やがて、名残惜し気に顔が離れ、細身であれど決して肉付きの悪くない二人の身体が、横に倒れた。
乱れた髪が床の上に流れ、二人の髪が重なり織られ。既に何も羽織っていない身体で抱きしめ合い――。
【ここから先は製品版を買ってね! 500Gで頒布中!】
Produced by PPP, Ltd