PandoraPartyProject

SS詳細

剣に交えて、千の言葉を

登場人物一覧

真読・流雨(p3x007296)
飢餓する
真読・流雨の関係者
→ イラスト

名前:『愛と平和の語り部』ルウナ・アームストロング
種族:獣種
性別:女
年齢(或いは外見年齢):Unknown
一人称:儂
二人称:お前、呼び捨て
口調:じゃ、じゃろ?
特徴:【超強気】 【素直でない】 【お人よし】 【根は真面目】 【ロマンチスト】
設定:
「そうじゃのう……ここはひとつ、話をしよう。愛と平和の、ラブ&ピースさながら」
曲芸団『幻戯』、「語り部」にして若き団長。
……団長とはいえ、団員たちはその場で集める、即興・何でもありの寄せ集め集団だ。

ルウナ・アームストロングは冒険家だ。
未知の世界があるならば、そこへ身一つで滑り込み、見て、知り、空白の地図を埋める。

黄金の都。
ルウナ・アームストロングは、跳ねるように窓へと飛び込んだ。
噂にたがわぬ豪華な屋敷。
けれどもルウナの気を引いたのは、豪華な調度品や、美術品ではなかった。
廊下におぞめく、恐ろしい化け物。
『――』
空気を振動させるような声は、一定のパターンを持っていた。
「なんじゃ、お前、話が通じるのか? それは悪かった」
背筋が伸びるような、まっすぐな声で紡ぐのは、「愛と平和」のおとぎ話。
『黄金卿』恋屍・愛無の屋敷に忍び込み、外の世界のことを語って聞かせた。
嘘か本当かもわからない。
まだ見ぬ世界を目指して……R.O.O内には、ルウナの足跡が残っている。
どこで何をしているのだろうか。
野垂れ死んだのだろうか、それとも、いつか会う日が来るだろうか。

おまけSS『今日の話』

「それは、おかしい」
 ふむ。
 ルウナは愉快で仕方がなかった。
 化け物――いや、もうとっくに人の姿をとっている愛無は、見事に、じっと黙って話を聞いていた。椅子に座って、耳を傾けるばかりだった愛無は、なんと、話の筋に文句をつけるようにまでなった。
 それが、ルウナは愉快で仕方がなかった。
「その王子とやらは、どうして裏切った盗賊を見逃したんだ? 殺せる隙はいくらでもあったし、不合理じゃないだろうか」
「人間とは不条理で不合理なものよのう、だからこそ、面白い」
「……」
「『ラブ&ピース』じゃ」
 らぶあんどぴーす、と唱える様に繰り返した。分かっていないような声だ。
「偶然の出会いを大切に、日々を大切に、目の前の人間を大切に。
まあ、こんな世の中でも、愛を持って隣人と接すれば、半分は返ってくるかもしれんよ」
 わからない、とルウナは首をかしげる。それでいい、とルウナは思う。
「それよりも、愛無。飲み物はないのか? こうも喋り通しでは、喉が渇いて仕方がない」
 愛無は、すごく興味がなさそうに、秘蔵のワインを見やった。
 宝石で飾り付けられた一本。明らかに場違いな酒が、単なる飲み物に過ぎないのが見て取れて、それがあまりにおかしかった。

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