SS詳細
商いは真摯、救いしは神使
登場人物一覧
名前:
種族:徴無(人間種)
一人称:わい
二人称:あんさん/~はん
口調:商人風の関西弁
特徴:
中肉中背の、何処にでもいそうな40代くらいの中年。白髪交じりの黒い総髪に茶色の瞳。
時折浮かべる、人懐こく愛嬌のある笑みが印象的。
服装は町人風の藍染めの和装に、紺地に白く丸の中に「外」と書かれた帆前掛け。
設定:
外村 伝衛門は、豊穣は
商人として機を見るに敏く、若い頃から商才を発揮しつつ努力を重ね、一介の行商人から朝豊に「外村屋」と言う店を構えるまでになった。
伝衛門の商人としての性質は、善良だと言える。
利に敏いのは商人として当然として、仕事や商品への対価は確り支払うべきと言う考えを持つ。故に通常の商いの一環としての値切り交渉などは行うものの、相手が立ちゆかなくなるほど不当に値切るなどして暴利を貪ったりはしない。
自らの利益はもちろんだが相手や社会を蔑ろにしないその商いの方針と、要所で見せる人懐こく愛嬌のある笑みによってもたらされる人当たりの良さによって、伝衛門は苦労はあれどもこれまで穏やかな商人人生を送ることができた。
海洋の『大号令』によって大陸には豊穣の、豊穣には大陸の様々な事物が伝わったが、伝衛門はその中でもグラオ・クローネの風習に目を付けて、前年の暮れからチョコレートの生産体制作りに尽力した。この時もそうだが、伝衛門はしばしば慈善事業に近い感じで(最終的な利益は確り確保するのだが)、孤児など貧困の最中にある者達を適正な給金で臨時雇いしている。
そのチョコレートを狙い巨大蟻の行列が朝豊に迫ると、伝衛門はヒィロ=エヒトら神使に頼ることで事なきを得て、グラオ・クローネでのチョコレート販売を成功させた。
後にグラオ・クローネの成功で目立った伝衛門を盗賊団が狙ったが、これもヒィロら神使の活躍によって退けられ、伝衛門の生命と財産は無事に守られている。
そんな経緯もあってか、伝衛門の神使、とりわけ二度も窮地を救ったヒィロへの信頼は非常に篤い。故にヒィロが伝衛門に何か助力を求めれば、伝衛門は損得を抜きにして全力で応えようとするだろう。逆に伝衛門の方が何かに巻き込まれてヒィロに助力を求めることは、今後もあるかも知れなかった。
おまけSS『孤児らの臨時雇いについて、伝衛門曰く』
「べ、別に慈善事業とか、そんなんやあらしまへん。手が足りんから手伝ってもろて、働きに応じた給金を出しただけのことでっせ。
あくまでわいの商売の都合であって、慈善とか全然ちゃいますし、そんな善人みたいに言われたら困りますわ」
――必死にそう言い募る伝衛門。どうやら、伝衛門はこの件で善人扱いされるのは苦手であるらしい。