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精霊ミストルフィンを崇める為の魔剣祭@マジックソードタウン

登場人物一覧

チェルシー・ミストルフィン(p3p007243)
トリックコントローラー

●屋台
 澄み渡る朝空の下では賑やかな祭典の喧騒に包まれて町全体が活気付いて居た。
 マジックソードタウンでは秘蔵の魔剣を祀る為の魔剣祭が開催されるのだ。

「ふふ、流石は私のお膝元ね? 朝の段階でお祭りがこんなにも盛り上がっているなんて!? さあて、私自身もお祭りの主役として魔剣祭をとことん堪能するわよ!」
 華やかな祭典会場を魔剣本人のチェルシー・ミストルフィン(p3p007243)が巡る。
 時にマジックソードタウンとは其の名の如く精霊ミストルフィンを祀る町である。

「くんくん……? あら、とても良い匂いね? 食欲を煽るこの香りは……」
「いらっしゃい! 魔剣祭名物の魔剣焼きは如何かね?」
 食べ物屋台の一角では魔剣を象った棒状のジャンクフードが販売中だ。
 烏賊焼きが魔剣に見立てられた醤油風味の香ばしい焼き物である。
「えっ? これが……私!? まあ、食べてみましょう。
 はぐはぐ……。あら? 味が濃くて美味しいわね! ねぇ、もう一串くれる?」
 魔剣焼きの味をお気に召したチェルシーは追加の串も一瞬で平らげてしまう。
 実は此の「魔剣焼き」は過去の祭典では「魔槍焼き」と呼ばれた名物である。

「へぇ? こちらの屋台はフリーマーケットかしら? 雑貨で溢れているわね?」
「いらっしゃいませ。マジックソードタウンの名品各種を取り揃えています」
 物品屋台の広場では衣服、装飾品、書籍等が専門ごとに綺麗に陳列されて居た。
 チェルシーは我が町が誇る名物の品揃えを確認するべくマーケットを観覧する。
「ふむふむ? 『ブラックラビット・シリーズ』はちゃんと版ごとに揃っているわね?」
 チェルシーは自身がデザインした先鋭的な黒兎服の取り揃えを隈なくチェックした。
「よし、宝石店の方もばっちりね! やっぱりこのネックレスの輝きは欠かせないわ」
 一方でチェルシーご愛用の「悪い男が好きなネックレス」の逸品も勿論店頭に並ぶ。
「あらら? この書籍も販売されているのね? もしかして、Mブームかしら!?」
 他方で書籍店の本棚には『どえむがく』関連の書物も充実して居た。
 フリーマーケット各店舗に満足したチェルシーは皆を激励し乍ら回った様だ。

「まあ!? 一体、皆で何をそんなに頑張って掘っているのかしら!?」
「へい、らっしゃい。よかったら精霊様も穴掘りゲームやりませんか?」
 町外れのゲーム屋台では皆で宝玉SRCを掘る大会が絶賛開催中であるそうだ。
 どうやら此の謎の穴をスコップ等で掘れば一獲千金で宝玉SRCが採れるらしい。
「あらま? これ、ゲームになっていたのね……。いいわよ、私が手本を見せるわ!」
 チェルシーは「ゲーム」の先駆者として宝玉SRCを怒涛の如く掘り出した。
 無論、此の町で宝玉SRC堀りの実力に関して彼女の右に出る者はいない。

●実演
 午前中は屋台を巡ったチェルシーであったが午後からは彼女主催の行事もある。
 集会場のステージに立つ彼女は魔剣製造のデモンストレーションを披露する。

「はぁ~い、精霊ミストルフィン本人のチェルシーよ! 魔剣祭も益々盛り上がって来たところで、私の方からは魔剣製造の精霊秘技を直にお見せするわね?」
 魔剣神社の氏子二人が魔剣を一刀ずつ丁寧にチェルシーへ手渡してくれた。
 如何やら魔剣には秘密があるらしく其の真実がチェルシーから種明かしされる。

「さて、ここにあるのは二刀の魔剣。一刀が『グリムセイバー』ね。リーチを活かした戦法を得意とする長身の両手剣。もう一刀が『グリムブレイド』よ。こちらは重さを活かした戦法を得意とする重厚な両手剣。だけれど実はこの二刀は未完成なのよ。なぜならね……」
 チェルシーは先ずグリムセイバーの柄を手に取ると刃渡りに向かって魔力を念じた。
 長身の刃に刻まれた文字が眩い閃光を放ち乍らも魔力に充ちた魔剣として顕現する。
「うん、こんなもんかしら? では、続けてこちらの魔剣にも力を込めるわね」
 そしてもう一刀のグリムブレイドの柄を両手で握り締めて魔力を流し込む。
 重厚な刃渡りを彩る魔術文字にも眩い閃光が灯り乍ら魔剣は魔剣として完成する。
「はい、これでこの二刀は完成よ! 完成した魔剣は私の代替として魔剣神社の御神体と成って祀られたりするわ。あるいは町を護る警備隊に配給されたりもするわね」
 と云う訳で完成した魔剣二刀で早速の殺陣が氏子二名によって実演される。
 賑わう活気と歓声の中で魔剣同士の激突が煌びやかに死闘を演じた。

「最後にもう一点、実演したい物があるわ。私が愛用する武器の『魔剣翼』だけれど、アレをどうやって武器として製造するのか度々質問があるのよ。だからこそ、今この場で、『魔剣翼』の作り方をお見せするわね」
 チェルシーは背中の片翼から鋭利な刃の如き羽の一本を難なく抜き取って見せる。
 手元の羽に精霊の魔力を装填すると刻まれた魔術文字が鮮やかに活性化された。
「はい、実はこれで『魔剣翼』も立派に武器として完成したわ。私であれば戦闘中は一瞬でこんなこともできるけれど、ゆっくり見せたらこんな感じかしら。
 最後に会場からプレゼントのお知らせよ。なんと、抽選一名様にたった今完成したこの魔剣を差し上げるわ! さあ、希望者は挙手、挙手よ!」
 実演最後のとっておきの出し物に興奮した会場は希望者の挙手で大いに盛り上がる。
 どうやら町民の幼い子供が幸運にも当選してチェルシーから魔剣を贈呈された様だ。

●神輿
 魔剣祭も佳境に入ると町全体を巡る神輿パレードが盛大に行われる。
 チェルシー神輿が魔剣神社から発して集会場や屋台の大通り等を横断する。

「最後だから派手にいくわ! 皆、張り切っていくわよ?」
 チェルシーは氏子達を鼓舞すると気を引き締めて神輿堂内の豪華な座席に乗り込んだ。
 そもそも神輿は神様の依代が乗る物であり正にチェルシーは魔剣の神の代役である。

「出発進行! 私が音頭を取るから皆も掛け声で続いて!」
 活気溢れる音頭と共に氏子達が神輿に有る二本の担ぎ棒を持ち上げて出発する。
 古風で豪勢な神輿の屋根紋では片翼の魔剣を象徴する剣印が輝いて居た。

「わっしょい! わっしょい! ぜひ皆も一緒に!!」
 神社境内を経て野道を行進する神輿に担がれ乍らチェルシーが大声で指揮を執る。
 氏子達も掛け声に合わせて「わっしょい」と叫ぶと観衆の列も次第に増加した。

「ふふ、大勢の観客が私を待っているわ! 魔剣の歌を聴け~!」
 チェルシー神輿が集会場に差し掛かると町民達から熱狂的な歓迎を受けた。
「わっしょい」が高まる中、チェルシーはマイクを片手で握り締めて歌唱する。

――ああ♪ 麗しき♪ 片翼の魔剣よ~♪

 華麗な巫女衣装が向い風で翻り乍らもチェルシーは神輿席から全力で歌い上げる。
 彼女が透き通る美声で絶叫するのは『テーマソング・オブ・マジックソードタウン』だ。

――ああ♪ 呪わしき♪ 絶望の海よ~♪

 此の歌に聞き覚えがある方は魔剣ミストルフィンの長年のファンに違いない。
 其の昔、チェルシーが歌姫時代に戦場で歌い乍ら魔物を撃破した呪歌である。

――皆、今日は魔剣祭で祝ってくれて本当にありがとう!

 魔剣神輿が大通りに到着すると祭典は燃え上がる様な最後を迎えた。
 町民全体がチェルシーを崇め称えて祝詞を復誦する。

――魔剣ミストルフィンの加護に幸あれ! マジックソードタウンの繁栄に祝福あれ!

 了

  • 精霊ミストルフィンを崇める為の魔剣祭@マジックソードタウン完了
  • GM名ヤガ・ガラス
  • 種別SS
  • 納品日2021年05月19日
  • ・チェルシー・ミストルフィン(p3p007243

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