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願いは儚く
登場人物一覧
名前:夢見 ルル家
一人称:拙者
二人称:~殿
口調:です、ます、なのです
特徴:破天荒なお転婆娘。遮那にとっては肩肘張らなくて良い親友であり命の恩人でもある。
しかし最近、距離感が近いのではと思い始めた。何故。
設定:
ルル家ー。何処だー?
先ほどまでその辺りに居たと思ったのだが何処へ行ったのだ。
何だ、こんな所に居たのか。どうしたのだ? 顔が赤いぞ。
其方もしかして熱があるのでは無いか? だからそんな隅の方に居たのだろう。猫の様だな。
ほら、布団を出そう。こらこら、何をしておる。熱があるのだろう。大人しくしておれ。
流石の私でも布団ぐらい自分で敷けるぞ。幼子ではあるまいし。
うーむ。氷枕を持ってきたのだが、心配だのう。
大丈夫か? 最近忙しかったのだろう。
神使としての仕事と、私の側仕えを兼任してあちこちを飛び回っているのだから無理も無い。
今日はここでゆっくりと休むがいい。其方がいつも仕えてくれている代わりに今は私が傍に居よう。
何を言うておる。大事な命の恩人が弱っているのを無碍に出来るものか。
執務も大事だがな。其方が風邪を拗らせて死んでもしてみろ。其れこそ世界の可能性の損失であろう。
うつらぬよ。大丈夫。余計な事を考えなくていい。
ゆっくりと眠るが良い。……なに、寝られぬ? 仕方ないのう。少し話でも聞いておれ。
ん。どうした。手か? 良いぞ、手ぐらい握ってやる。
夏の日に其方と再会したとき、何の腹を探られているのかと思ったものだ。
忠継の事を気にしていただろう。
あの時既に、其方は忠継が悪しき業を背負って居る事を見抜いておったのか?
大した観察眼だの。まるで安奈や忠継の様だ。破天荒な物言いから想像も付かぬ慧眼よ。
だからこそ、私は其方を傍に置いておきたいと思っておる。
ふふ、寝てしまったか。のう、ルル家。其方と共に見る世界はきっと楽しいだろうな。
願わくば、ずっとこのまま。たわいも無い話で笑い合えたら良いのう。