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ゆきのあしおと
登場人物一覧
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ボク――アイラ(p3p006523)には、赤い瞳がありませんでした。
いえ、目はあるます。
でも、ボクのイチゾクは炎の魔法を伝承するイチゾクとして有名です、ます。
その証明になるのが、炎のような赤い瞳です。
それがないボクは、イチゾクには必要はアリませんでした。
それに気づいた、とき、まわりの、大人の赤い目が青い目のボクを、蔑んで、いるようなでした。
ボクはそれが怖くて、
怖くて、
怖くて、怖くて、怖くて――。
逃げたました。
あの赤い瞳の大人がいつか自分を殺すますかも、と、思った、からです。
ボクはまだ、なにもしらないます。こんなだれもこない、土蔵の、奥、ひとり。
放置されて、死ぬます、のが、きっとこの先の未来だと思ったです。
だから、逃げたました。
なにも持たずに、窓から飛び出したです。
初めて触れた地面は、裸足の足にチクチクしました。
でも、それを、初めてしったます。
ふわふわとましろい、なにか、がそらから、ふってました。
さわると、白くて、ふわり、溶けました。
あとでお師さまから聞いた話、よると、それは、ゆき、というものでした。
せかいには、ボクの、知らないもの、たくさん、ありました。
それがとてもきれいで、ボクは上向きになって、くるくる、回りました。
そうすると、まるで、ゆきがボクに向かって飛び込んでくるみたいで。
ボクは、ゆきに、必要とされて、いるみたいで、うれしかった、です。
お恥ずかしい、話ですが、ボクはなにもしらな、すぎました。
さむいひ、薄着で、裸足で、雪のなか、歩くと、倒れます。
白い、ゆき、嬉しくてくるくるしていたら、なんだか目の前が暗く、なりました。
そのまま倒れたらゆきが、ボクを包みこんで、くれ、たから、怖くはなかったのですが。
ぱちぱち。
なにかおとがします。それは暖炉、というもののなかで火が、燃える音だとあとでしり、ました。
ゆきはきれいでとても素敵だった、ですが、冷たすぎていけません。暖炉は温かい、ものです。
ボクは、テイタイオン? で倒れたらしいです。見かけたその人が、助けて、くれた、みたいです。
それから、ボクはその人と一緒に過ごす、こと、なりました。
そのひとは氷の魔法使いでした。
しっているますか? 炎以外の魔法もあるます。
ボクは炎がだせないます。炎のイチゾクあるますのに。だから出来損ないのあおの目。
でも、そのひとはバカ、には、しないました。
そのひとはボクに、雪の、氷の魔法をおしえてくれたました。炎は難しいのですが、氷はなぜか簡単にできるます。
ボクはそのひとをお師さまと呼ぶますようになりました。
お師さまはたくさんのいろいろを教えてくれました。
お師さまのとなりにいつもいる動物は使い魔というらしいです。お師さまは使い魔をずいぶんとだいじ、してました。
使い魔もお師さまが、とてもだいじしてました。
ボクもきっとお師さまがだいじしてますし、お師さまもボクがだいじしてくれてたとおもいます。
お師さまと暮らす時間はボクにとって、とても、とても、とても、だいじ時間ます。
使い魔とお師さまのとりあいしたこともあります。確かに、使い魔は、お師さまが作った、ですが、ボクだってお師さまが助けてくれたます。たちばはきっとイーブン、です。
「お師さま、あしたは、強い魔法おしえてくれるの、楽しみます」
お師さまがおおきな魔法をボク、に教えてくれる言いました。ボクはそれが楽しみで仕方なかったです。
それがあした。眠れません。目が冴えるです。
あしたまでの時間はまだまだあります。
眠れなかったボクは、枕をだいたまま、お師さまのいる部屋にむかうです。すこしお師さまとお話したくなったからです。
使い魔もいるますが、まああいつとも話してやってもいいます。
足をすすめると、鉄さびのにおいがしました。いやなやつです。
お師さまの部屋に近づくたび、その匂い強いです。
「おしさま!」
へやの中には誰もいませんでした。
いえ、それはうそです。
使い魔が血まみれのまま、氷の中でうごかなくなってました。
「――!」
使い魔の名をよびますが、反応ありません。
「おしさま!」
お師さまを呼びながら家の中を探すます。
だけれども。
だけれども――。
ボクはまた、いらなく、なったのでしょうか?
なんども、なんども、なんどもお師さまをよびます。返事はありません。
ほほにあつい水がこぼれました。
ボクはそうして、ひとりになったのです。